
バルセロナのアパートのキッチンで、ふたりの男が演奏している。見ればSergio Tacchiniのトラックスーツ、手には煙草、傍らにはネグローニ。その映像はなぜか止まれなくて、シェアされて、気づけば世界中で愛されていた——イタリアン・イタロディスコ・デュオMind EnterprisesのAndeaとRobertoが作ってきた、この奇妙で愛おしいカルト現象がついに一枚のアルバムになった。11曲入りLP『Negroni Love』が、2026年5月22日にリリースされた。コーチェラ出演直後、ヨーロッパ30公演超を含む怒涛のワールドツアーの真っ只中に届いたこの作品は、Mind Enterprisesというプロジェクトが今まさに頂点にいることを静かに、しかし確かに証明している。
イタロディスコの太陽と、バッハと、トランスが同居する11の部屋
『Negroni Love』が特別なのは、Mind Enterprisesの「お得意」を洗練させるだけにとどまらず、その境界線を大胆に押し広げていることだ。「Da Sola」「Tacchini」「Negroni Love」といったタイトルトラック群は、地中海の光と深夜のノスタルジアをたっぷり纏ったサンドレンチなイタロ・グルーヴで彼らの真骨頂を発揮する。一方で「Another World」はトランスの影響を色濃く取り込み、「Aria Sulla 4a Corda」はバッハを電子音楽のフィルターで再解釈し、「Burn It!」にはバロック音楽からインスパイアされたハーモニーが宿る——遊び心と音楽的な野心を両立できるこのデュオの真価が、一枚のアルバムの中で縦横無尽に発揮されている。
「Tuttosport」「Rosanero」というタイトルにさりげなく滲むイタリアン・フットボールへの愛も、彼ら流のユーモアだ。
世界が気づいた、「ヨーロッパの夢」の設計者たち
Sergio Tacchiniのジャージ、ヴィンテージのアルファロメオ、濃い口ひげ、街角のカフェ——Mind Enterprisesのビジュアル・ランゲージはひとつのライフスタイルを体現しているが、それ以上に彼らを世界規模の現象に押し上げたのはサウンドの普遍的な引力だ。スマートフォンの画面越しに届いたキッチン動画が、コーチェラのステージへ、北米ソールドアウト・ツアーへ、モントルー・ジャズ・フェスティバルへと繋がっていった——そのストーリーのまっすぐな美しさが、この時代にMind Enterprisesが刺さる理由のひとつだろう。
ヴァイナル版はオンラインで即完売。CDとヴァイナルに加え、ステッカーパック、Tシャツ、ネグローニ・グラスまで揃うマーチコレクションも展開中だ。この夏のヨーロッパ30公演超を含むワールドツアーの詳細はこちらから。

Mind Enterprises『Negroni Love』今すぐ配信中
トラックリスト
- Discough 2. Rosanero 3. Burn It! 4. Tacchini 5. Tuttosport 6. Negroni Love 7. Another World 8. Misty Jungle 9. Da Sola 10. Aria Sulla 4a Corda 11. Gloria
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