
ニューヨーク・ブルックリンから現れた新世代プロデューサー/DJ、nextdimensionalと、日本のベース/クラブ・ミュージックを世界へと接続し続けてきたTREKKIE TRAX。その両者が交差するパーティ「TREKKIE TRAX presents nextdimensional」が、2026年9月12日(土)に開催される。
ラインナップにはnextdimensionalを筆頭に、E.O.U、akii、Fetus、Seimei、Carpainter、そしてandrew feat. なかむらみなみが集結。単なる海外アーティストの来日公演ではない。ニューヨークと東京、ブレイクビーツとテクノ、ベース、ダブ、レゲエ、さらには既存のジャンル分類からこぼれ落ちる実験的電子音楽までが一夜の中で衝突する。現在進行形の“レイヴ”を東京から再定義するような、刺激的なセッションになりそうだ。
ブルックリンからやってくる、次世代レイヴの異形
今回の中心人物となるnextdimensionalは、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するプロデューサー/DJ。2025年には自身のレーベルStarry Recordsを設立し、同年にはSeimeiらを迎えたレーベルナイトを東京で開催するなど、日本のクラブシーンとも関係を深めてきた。
そのサウンドの根底にあるのは、ニューヨークらしいブレイクビーツの感覚だ。しかし、それだけでは終わらない。多層的でトランシーなテクノ、激しくうねるベース、精密に組み上げられた高速ビートをクロスさせながら、幻想的かつドラマチックなレイヴ・サウンドへと変貌させていく。
ハードでありながら浮遊している。緻密でありながら、どこか恍惚としている。その相反する感覚が同時に押し寄せるところに、nextdimensionalの面白さがある。ビートに身体を奪われながら、意識だけが空間の外へ抜け出していくような奇妙な快楽。それはまさしく“next dimensional=次元の向こう側”という名を体現する音楽なのかもしれない。
「Open!」から始まったTREKKIE TRAXとの接続
nextdimensionalとTREKKIE TRAXの関係は、すでに始まっている。前回来日時には、なかむらみなみをフィーチャーした「Open!」を制作。TREKKIE TRAX CREW、umru、nextdimensionalによるコラボレーションとして2026年1月にリリースされ、クラブでも頻繁に耳にするスマッシュ・トラックへと成長した。
さらにnextdimensionalはミックスシリーズ「TREKKIE TRAX MIX」にも登場。自身のサウンドヴィジョンを凝縮したセットを残している。
つまり今回のパーティは、海外ゲストとホスト・レーベルという単純な関係ではない。すでに楽曲制作とDJミックスを通して進行してきた対話を、今度はダンスフロアという場所でさらに先へ進めるものだ。
そしてSeimei、Carpainter、andrew feat. なかむらみなみという布陣を見れば、その意図はより明確になる。東京とニューヨーク、それぞれのローカルから生まれた感覚が接続され、ひとつの巨大なレイヴ空間へ変換される。
E.O.UとFetus ── “ジャンルの外側”からフロアを揺らす才能
さらに興味深いのがE.O.Uの参加だ。
電子音楽の領域を大胆に横断しながら、極めてエモーショナルで根源的なダンスミュージックを鳴らすE.O.U。その音楽にあるのは、ジャンルを巧みにミックスするというより、そもそも境界線など存在しなかったかのように音を扱う自由さだ。
nextdimensionalが提示する新世代レイヴの感覚とE.O.Uの越境性が同じ夜に交わったとき、何が起きるのか。さらにTREKKIE TRAXという触媒が加わることで、予測不能な相互作用が生まれることは間違いない。
そしてFetusもまた、この夜の重要人物だ。7月24日にリリースされた最新作『boost EP』では、音楽科学的なアプローチを背景にしながら、既存のエレクトロニック・ミュージックの語彙そのものを押し広げるようなサウンドを展開。ベルリンのHERRENSAUNAからのリリースや、Mixmagによる「PRODUCER OF THE YEAR 2024」への選出など、その存在はすでに国際的なものとなっている。
ダブとサウンドシステムの異物感 ── akiiが持ち込むもうひとつの低音
そして、このラインナップをさらに面白くしているのがakiiだ。
話題のDJクルーNEKO MAFIAのメンバーでもあるakiiは、ダブ、レゲエ、サウンドシステム・カルチャーを背景にしながら、それらを現代のクラブ空間へとアップデートするDJ/イノベイター。nextdimensionalのブレイクビーツやFetusの実験性、TREKKIE TRAX勢のベース・ミュージックとは異なる角度から、“低音”という共通言語をフロアへ持ち込む。
テクノだけでもない。ベース・ミュージックだけでもない。レイヴだけでもない。
むしろ、それらの境界が崩れた後にどんな音楽が現れるのか ── 今回の「nextdimensional」は、その瞬間を目撃するためのパーティと言ったほうが近いだろう。
東京とニューヨーク、二つの都市がレイヴでつながる夜
2026年のクラブ・ミュージックにおいて、ジャンル名だけで新しい音楽を説明することはますます難しくなっている。ブレイクビーツ、テクノ、ベース、トランス、ダブ、レゲエ、実験電子音楽。それらはもはや別々の島ではなく、ひとつのフロアで自在に接続され始めている。nextdimensionalという存在は、まさにその変化を象徴している。そしてTREKKIE TRAXもまた、長年にわたって東京からジャンルの境界を越える音楽を発信してきた存在だ。
ブルックリンと東京。それぞれの都市から育った二つの感覚が接続し、E.O.U、akii、Fetus、Seimei、Carpainter、andrew、なかむらみなみという異なる個性がそこへ流れ込む。
9月12日、その先に現れるものは、おそらく誰にもまだ名前を付けられない。だからこそ、面白い。

TREKKIE TRAX presents nextdimensional
2026年9月12日(土)
OPEN 22:00
出演:nextdimensional / E.O.U / akii / Fetus / Seimei / Carpainter / andrew feat. なかむらみなみ
DOOR:¥3,000
ADVANCE:¥2,500
BEFORE 11PM:¥1,000
