世界を虜にしたローファイ、その先へ ── wave to earth、新章『bad pieces』で描く“ありのまま”の現在地

韓国インディーシーンを代表する3ピースバンド、wave to earthが、待望のニューアルバム『bad pieces』をリリースした。ローファイ・ジャズを基調としたサウンドで世界中のリスナーを魅了してきた彼らだが、本作ではその成功に安住することなく、新たな音楽的景色へと踏み出している。

さらに、キャリア最大規模となるワールドツアー「the pieces tour」の開催も決定。北米・アジアを巡るツアーの一環として、日本では11月に大阪と東京での来日公演が行われる。

ローファイの成功を超えて、新たな表現へ

『bad pieces』は、ボーカル&ギターのDaniel Kim、ベースのJohn Cha、ドラムのDong Kyu Shinによる3人にとって、新たなクリエイティブ・フェーズの幕開けを告げるアルバムだ。

これまで培ってきた制作スタイルに縛られることなく、新しい楽器や音色を積極的に取り入れながら、自分たちの音楽を改めて見つめ直したという。

Daniel Kimは制作について、「数多くの名盤を研究し、そこで鳴っていたサウンドや楽器を自分たちの作品にも取り入れたかった。それらはアナログな温かみだけでなく、新たなインスピレーションを与えてくれた」と語る。

一方、John Chaは「同じことを繰り返すのではなく、新しい表現へ挑戦したかった。この作品は、wave to earthの新しいサウンドを築くためのアルバム」とコメント。彼ら自身は本作を”変化”ではなく、「今の自分たちをもっとも素直に映し出した作品」と位置付けている。

「heaven and hell」が示した新たな方向性

アルバム発売に先駆けて公開された先行シングル「heaven and hell」は、海外メディアからも高い評価を獲得した。

The FADERは「アコースティックギターとペダルスティールが温かな風のように響き、新しいサウンドの方向性を示している」と評し、Ones To Watchも「wave to earthにとって重要な転機となる楽曲」と紹介。リリース前から、本作への期待は大きく高まっていた。

全11曲で構成される『bad pieces』には、「talking ‘bout u」「everything comes and goes」「courage」「heaven and hell」などを収録。静かな余韻を湛えたローファイ・サウンドを土台にしながらも、より豊かなアレンジと表現力を獲得した作品となっている。

世界が熱狂する韓国インディーバンドへ

2019年の結成以来、wave to earthは韓国のみならず北米、ヨーロッパ、アジアへと活動の幅を広げ、各地で公演をソールドアウトさせてきた。

2023年に発表したファーストアルバム『0.1 flaws and all』収録曲「bad」はSpotify「Viral 50 Global」で世界1位を獲得。「seasons」は累計5億回再生を突破し、Spotify月間リスナー数は700万人を超えるなど、インディーバンドとして異例のスケールで支持を集めている。

さらに、Lollapalooza Chicago、Lollapalooza Chile、Lollapalooza Indiaなど世界各地の大型フェスティバルにも出演。韓国発のインディーロックが、いまやグローバルなポップカルチャーの一角を担う存在となったことを、彼ら自身が証明している。

北米からアジアへ ── キャリア最大規模のワールドツアー

アルバムリリースとともに始動する「the pieces tour」は、これまでで最大規模となるワールドツアーだ。

9月4日のカナダ・バンクーバー公演を皮切りに、ニューヨークのRadio City Music Hall、ロサンゼルスのGreek Theatreを含む北米21都市を巡るほか、11月にはアジアツアーも開催される。

日本公演は以下の日程で予定されている。

  • 11月26日(木) 大阪・BIGCAT
  • 11月27日(金) 東京・Zepp DiverCity (TOKYO)

世界各地で培ってきたライブパフォーマンスと、『bad pieces』で到達した新たなサウンドが、日本のステージでも披露されることになりそうだ。

“今”だから鳴らせる音がある

ローファイという言葉だけでは、もはや彼らを語りきれない。

『bad pieces』は、世界的な成功を収めたバンドが、その評価に寄りかかることなく、自らの可能性をもう一度問い直した作品だ。懐かしさを感じさせるアナログの温度、新しい楽器がもたらす発見、そして飾らない感情表現。そのすべてが重なり合い、wave to earthは新たなフェーズへと歩み始めた。

世界中のリスナーを魅了した”ローファイ・サウンド”のその先には、より自由で、より豊かな音楽の風景が広がっている。

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