日焼けの後に残るのは、傷跡だった ── CHOIYUDAM、3年ぶりのフルアルバム『SUNTAN』で虚勢と素顔のあいだを旅する

「今日だけはプレイボーイになる」 ── そう自分に言い聞かせ、夏の街へ飛び出していくひとりの男がいる。恋愛に不器用で内向的な「エゲンナム(에겐남)」が、Fuckboyを演じようとした夏の話。韓国のオルタナティブ・ポップアーティスト、CHOIYUDAMが約3年ぶりとなる2ndフルアルバム『SUNTAN』を8月1日にリリースした。ヒップホップ、R&B、サイケデリック・ロック、マイアミベース、スロー・ジャムが渾然一体となった全11曲は、虚勢の下に隠された孤独と、最終的にそれを脱ぎ捨てた先で見つかる最も平凡な愛を、ひとつの映画のように描き出す。

「夏」という舞台に仕掛けられた、罠

2025年冬リリースのEP『EVE』で深く荒んだ孤独を歌ったCHOIYUDAMが今作で選んだ舞台は、その正反対の季節 ── 夏だ。しかしそれはロマンの季節ではない。欲望と解放、虚勢と空虚、愛と不安が同時に沸き立つ季節として描かれる。

「肌を太陽で焼いても、残るのは日焼けだけでなく火傷の痛み」 ── アルバムタイトル「SUNTAN」が示す通り、熱に憧れながら熱に傷つくという逆説が、全11曲を貫く核だ。

11曲が紡ぐ、崩壊と再生のアーク

アルバムはマイアミベースとオールドスクール・ヒップホップが交差するオープニング「Scrooo!」で虚勢のキャラクターを愉快に宣言し、タイトル曲「Fukable boy」でCypress Hillを連想させる90年代ブーンバップのビートに乗せた強烈なラップ・パフォーマンスが頂点を迎える。

しかしその熱狂の裏側で、亀裂は静かに走り始める。サイケデリック・ロックとヒップホップが交差する「Eternal」で喪失感が顔を覗かせ、圧倒的なギターソロが1分30秒にわたって引き伸ばされる。Dowooとのデュオ「PLZ」はアルバム中最もポップなナンバーとして前半部を彩り、「Predator」と「Hysteria」では巨大なクワイアと歪んだサンプル、荒々しいドラムが主人公の自我の崩壊を音楽として表現する。

後半は一転してねっとりとしたスロー・ジャムR&B「Sex without love」で空虚と向き合い、最後のタイトル曲「Freaky hot today」でCHOIYUDAMはすべての虚勢を脱ぎ捨て、最も素直な自分へと戻ってくる。それは激しい物語の末にたどり着く、驚くほど静かなエンディングだ。

新村、弘大、梨泰院、大阪——街が舞台装置になる

ビジュアル・ディレクションはGenre Freedomメンバーで写真家のジョ・ギュドンが担当。韓国の新村、弘大、梨泰院と、日本の大阪を往き来しながら記録されたパーティー、公演、日常の場面がミュージックビデオを通じてアルバムの世界観を視覚的に完成させる。2026年7月には実際に大阪・心斎橋の音楽イベント「タナカラウナギ」に出演し、ラッパーISSEI TERADAとのコラボ・シングル「RAMUNE」をリリースするなど、日本との接点もリアルに動き始めている。

プロダクションはデビューから共に歩んできたSOONが統括し、Dowoo、Russell、カン・ヒョンジュン、Hanjoo、YOON MIN、Harry Pyoが参加。複数のクリエイターが集まりながらも、最後まで「CHOIYUDAM」という一人のアーティスト像に収束するアルバムの一貫性が、本作の最大の強みだ。

CHOIYUDAM 2nd Full-Album『SUNTAN』
2026年8月1日リリース(全11曲)
タイトル曲:「Fukable boy」「Freaky hot today」
各ストリーミング・プラットフォームにて配信中

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