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[連載:ブラジル音楽の地図]第2回:サンバはどこから来たのか ── 祝祭と抵抗のリズム
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る... -
[妄想コラム]もしSpotifyがなかったら、音楽はどうなっていた?
音楽の聴き方は、ここ20年で劇的に変化した。とりわけSpotifyが2008年にスウェーデンで誕生して以降、その影響は音楽業界だけでなく、リスナーの耳、身体感覚、さらにはアーティストの創作プロセスにまで及んでいる。では、もしSpotifyという存在がこの世... -
[連載:クラシックの歴史]第4回|均整と理性の音楽:古典派の美学
音楽は、どこから来て、どこへ向かうのか。 「クラシック音楽」と聞くと、あなたはどんなイメージを抱くだろうか。堅苦しい、難しそう、あるいは昔の音楽 ── 。けれど、それはほんの一部に過ぎない。 クラシック音楽とは、9世紀の祈りの声から始まり、劇場... -
[妄想コラム]電気なき音楽の宇宙 ── もしも音がコードを持たなかったなら
序章:電気がない世界で、音楽はどう鳴るのか? もしも電気という概念が存在しなかったら、音楽はどのように形成され、発展していったのだろうか? 録音も再生も、増幅も合成も存在しない世界。その静寂の中で、人間はどのようにして音楽を紡ぎ、共有し、... -
[連載:MEMORIES OF THE DANCE FLOOR]第4回:アシッドハウスとレイヴ ── 境界を越えるサウンドと精神
1980年代末、ロンドンの曇り空の下、何かがはじけようとしていた。ハウスミュージックがシカゴから飛び火し、デトロイトテクノがヨーロッパの耳を刺激し始めたそのころ、UKの若者たちはただ踊るためだけに、郊外の倉庫や野原に集まりはじめる。クラブでは... -
[音楽語源探偵団]Vol.1:GROOVEとは何か ── 誰が言い出したのか?
音楽の世界には、誰もが当たり前のように使っている言葉がある。「グルーヴ」「ブルース」「トラップ」「チル」 ── それらの言葉は、いつから、どこで、誰が、言い出したのだろうか? このシリーズでは、音楽にまつわるキーワードの“最初の一言”を辿る。ジ... -
[連載:ブラジル音楽の地図]第1回:リズムのるつぼ ── ブラジル音楽の地層を探る
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る... -
[連載:リディムの海を渡って]第2回:レゲエ誕生 ── そのビートはどこから来たのか
強く、優しく、揺らめくように響く音。レゲエはジャマイカの土の匂いとともに生まれ、やがて海を渡り、世界中の心に根を下ろした──。 なぜこの音楽はこれほど人を惹きつけるのか?どこまでが「レゲエ」で、どこからがその先なのか? 本連載では、誕生から... -
[連載:JAZZ IN MOTION]フュージョンとエレクトリック・ジャズ(1970年代)
ジャズは20世紀初頭のアメリカで誕生し、その後100年以上にわたり進化を続けてきた音楽である。ニューオーリンズの街角で生まれた即興演奏は、やがてスウィング時代のダンスミュージックへと発展し、ビバップによって知的な芸術へと昇華された。さらに、モ... -
[妄想コラム]もしヒットチャートがすべてAIのものになったら ── 人間の音楽はどこへ向かうのか?
AIの進化によって、音楽制作の現場は大きく変わりつつある。作詞、作曲、編曲、ボーカル生成、さらにはミキシングやマーケティングまで、自動化が可能な領域は広がり続けている。現時点でも、AIによって制作された楽曲がチャートに登場することは珍しくな...