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[連載:GROOVEの錬金術]第6回:アシッドジャズの現在地と未来 ── 越境するスピリット
ジャンルではなく、精神としてのアシッドジャズ アシッドジャズは、単なるジャンルではなく、常に時代とともに揺らぎ、他ジャンルと交錯しながら再解釈されてきた文化的な運動である。そのスピリットは、過去の文脈に根ざしつつも、柔軟に変化し続ける。「... -
[轟音の記憶 – ヘヴィメタル50年史]第1回:雷鳴の誕生 ── メタルの起源と革命児たち
悪魔が宿った指先の物語 1966年11月17日、バーミンガムの金属工場で働く17歳の青年が、人生を変える事故に遭った。その青年の名はトニー・アイオミ。機械に右手の中指と薬指の先端を挟まれ、指先を失ってしまったのである。 普通なら音楽への道を諦めると... -
[連載:FUNK IS POWER]第4回:ポップとファンクの蜜月──アース・ウィンド&ファイアーとクール&ザ・ギャングの拡張
ファンクは単なるダンス・ミュージックではない。それは人種、政治、スピリチュアリティ、そして大衆文化が複雑に交錯する音の運動体であった。本連載では、ジェームス・ブラウンの革新に始まり、スライ&ザ・ファミリー・ストーンによるユートピア的ヴィ... -
[響き合うコーヒーと音楽の世界]第1回:マンデリン
このコラムでは、毎回一つのコーヒー銘柄にスポットを当て、その魅力とともに、そのコーヒーに合う、あるいはそのコーヒーからインスパイアされた音楽を10曲ご紹介します。コーヒーを淹れる時間、そして音楽に身を委ねる時間。どちらも私たちに豊かな癒し... -
[妄想コラム]もしマイルス・デイヴィスが現在のクラブシーンにいたら?
いま、どこかの地下フロアで、あの音が鳴っているかもしれない──。ドライなハイハット、ざらついたベースライン、トランペットが叫ぶ。マイルス・デイヴィスがまだ生きていて、しかも現代のクラブシーンに生きていたならば、いったい音楽はどうなっていた... -
[コラム]“懐かしさ”を超える夜。──ノスタルジーじゃない、〈GOLD RUSH 80〉開催
2025年7月4日(金)、渋谷のFOWSで開催されるイベント〈GOLD RUSH 80’s〉 ── J-POPのルーツは全部ここにあった。80年代サウンドが刺さる理由を紐解いていこう。 〈GOLD RUSH 80’〉が「今」おもしろい理由 テーマは、その名の通り「80年代」。松田聖子、中... -
[音楽語源探偵団]Vol.8:重低音が開いた扉 ── ダウンチューニング、その起源と進化
チューニングを下げるという行為、すなわち「ダウンチューニング」は、今やヘヴィメタルやドゥームメタル、グランジ、ニューメタルなどのジャンルにおいて不可欠な手法となっている。だが、そもそもこの「ダウンチューニング」とは誰が最初に始めたのだろ... -
[連載:GROOVEの錬金術]第5回:越境するアシッドジャズ ── スタイルの拡張とグローバルな波及
アシッドジャズは1990年代初頭を境に、ジャンルとしての純粋性よりも、むしろ「交差点」としての柔軟性を武器に、より広範で多様な音楽へと姿を変えていった。それはときにクラブカルチャーの深層へと潜り込み、ときにワールドミュージックやロック、エレ... -
[妄想コラム]ジャズはどこへ行くのか ── 2125年、即興という名の未来地図
はじめに:100年後に鳴る音を想像するという冒険 2125年 ── その世界で、ジャズはまだ“ジャズ”と呼ばれているのだろうか? あるいはもう、その言葉すら忘れられ、別の名前で進化を続けているのかもしれない。 ジャズは20世紀初頭にアメリカで生まれ、そこ... -
[連載:FUNK IS POWER]第3回:ユートピアとしてのファンク──スライ&ザ・ファミリー・ストーンの革新
ファンクは単なるダンス・ミュージックではない。それは人種、政治、スピリチュアリティ、そして大衆文化が複雑に交錯する音の運動体であった。本連載では、ジェームス・ブラウンの革新に始まり、スライ&ザ・ファミリー・ストーンによるユートピア的ヴィ...