
鳥居の朱、刀の銀、藍染の深い青、忍者の黒、そして抹茶の緑。日本文化を象徴する色と意匠が、ストラトキャスターという世界的アイコンと出会った。
フェンダーは、日本の伝統文化や美意識からインスピレーションを得た日本限定コレクション『Made in Japan Limited Japan-Inspired Collection Stratocaster®』を発表した。2026年8月21日より、東京・原宿のFender Flagship Tokyoおよびフェンダー日本公式オンラインショップ限定で販売される。
今回登場するのは「京都」「侍」「藍染」「忍者」「抹茶」という、日本を象徴する5つのテーマをそれぞれ一本のギターへ落とし込んだモデル。単なる“和風カラー”のストラトではない。Made in Japanならではのクラフトマンシップをベースに、素材、インレイ、ピックガード、マッチングヘッドに至るまで、それぞれ異なる世界観が構築されている。
京都、侍、藍染、忍者、抹茶 ── 5つの日本がストラトになる
まず目を奪うのが、京都をテーマにした「Kyoto Orange」だ。鮮烈な朱色の鳥居をモチーフにしたカラーリングによって、京都の伝統建築が持つ華やかさと静謐さをストラトキャスターの曲線美へと重ね合わせた。

「Katana Silver」は、その名の通り日本刀から着想。ブラックとシルバーを基調としたシャープなルックスによって、侍の力強さと研ぎ澄まされた精神性を表現する。

なかでも素材そのものに踏み込んだ異色作が「Indigo Denim」。日本古来の藍染文化をテーマに、なんと実際の日本製デニム生地をボディに貼り付けている。塗装だけでは生み出せない独特のテクスチャーと深みを持たせた、今回のコレクションを象徴する一本と言えそうだ。

そして「Ninjya Black」は、専用アルミ製ピックガードに「忍」の文字を配し、指板には手裏剣をモチーフにしたオリジナルインレイを採用。忍者というモチーフを単純な装飾に終わらせず、その隠密性や機能美をモダンなギターデザインへ変換している。

最後は「Matcha Green」。抹茶を思わせる穏やかなグリーンを基調とし、日本文化が持つ静けさや温もりをストラトキャスターへ。5モデルのなかでも、とりわけミニマルな“和”を感じさせる佇まいだ。

見た目だけではない。現代のプレイヤーへ向けた“Made in Japan”
このコレクションが興味深いのは、日本的なモチーフをまとわせただけの限定モデルではないところにある。
ボディには定評あるアルダーを採用し、新設計のHybrid II Custom Voiced Single Coilピックアップを搭載。ヴィンテージスタイルサドル付き2点支持トレモロシステム、ヴィンテージロッキングチューナー、Modern “C”シェイプネック、9.5インチラジアス指板、ミディアムジャンボフレットなどを採用し、フェンダーの伝統的な設計思想と現代的なプレイアビリティを融合させている。
つまりこれは、飾って眺めるためだけの“日本土産的ギター”ではない。ステージやスタジオで実際に鳴らすことを前提としたストラトキャスターに、日本の文化的ディテールを重ねたコレクションなのだ。
フェンダーミュージックのプロダクトマネージメント部長 APAC、藤川真人は、長年評価されてきたMade in Japanのクラフトマンシップをさらに発展させ、フェンダーのギター製作の伝統と日本固有の文化やデザインを融合することが今回の狙いだったと説明している。
「Made in Japan」は、ひとつのカルチャーになった
フェンダーと日本の関係を考えると、今回の企画はなかなか象徴的だ。
ストラトキャスターは1950年代のアメリカで生まれ、ロック、ブルース、ファンク、ポップ、オルタナティブと、時代や国境を越えて姿を変えてきた楽器である。その世界的アイコンを日本で製造し、さらに「京都」「侍」「藍染」「忍者」「抹茶」という日本文化のイメージを重ねる。そこには単なる限定モデル以上の、カルチャー同士の往復運動が見えてくる。
特に面白いのは、今回のコレクションが国内プレイヤーだけでなく、日本を訪れる海外の人々にも届けることを意識している点だろう。
ギターは楽器であると同時に、ファッションであり、デザインであり、その人が何者なのかを示す自己表現の道具でもある。そう考えれば、世界で最も知られたエレクトリックギターのひとつに、日本の色彩や素材、物語をまとわせるという発想は実に自然だ。
原宿から世界へ。5本のストラトが映し出す“日本”
『Made in Japan Limited Japan-Inspired Collection Stratocaster®』は各275,000円(税込)。8月14日からFender Flagship Tokyoで展示され、8月21日より同店およびフェンダー日本公式オンラインショップで販売がスタートする。
世界共通のシルエットを持つストラトキャスターに、日本固有の文化をどう宿らせるのか。
朱色の鳥居から日本刀、デニム、手裏剣、抹茶まで。一見すると大胆な組み合わせだが、それらを一本の楽器として成立させているところにこそ、今回のコレクションの面白さがある。
アメリカで生まれたストラトキャスターが、日本の職人技によって作られ、日本文化をまとい、再び世界へ向かっていく。『Japan-Inspired Collection』は、“Made in Japan”という言葉がいまや生産国を示すだけでなく、ひとつの美意識を意味することを物語るコレクションなのかもしれない。
【製品概要】
| シリーズ名 | Made in Japan Limited Japan-Inspired Collection Stratocaster® |
| 販売価格 | 各モデル 275,000円(税込) |
| 販売開始日時 | 2026年8月21日(金) |
| 製品取扱店 | Fender Flagship Tokyo(フェンダー旗艦店)フェンダー公式オンラインショップ |
| 製品ページ | https://jp.fender.com/products/made-in-japan-limited-japan-inspired-collection-stratocaster |
※製品仕様及び販売価格は、予告なく変更となる場合がございます。
