
世界中の巨大フェスティバルを熱狂させてきたTimmy Trumpetが、自身のキャリアでもひときわパーソナルなアルバムを完成させた。
Timmy Trumpetは、ニューアルバム『REVELATIONS』を2026年10月23日にSpinnin’ Recordsよりリリースすることを発表。全15曲のトラックリストも公開された。アルバムに先駆け、ドイツのDJ/プロデューサーAlle Farbenとのコラボレーションによる新曲「Chase The Feeling feat. ALEXX」が9月18日にリリースされている。
2020年のデビューアルバム『Mad World』から6年。トランペットを武器に巨大なダンスフロアを掌握してきた男が次に向き合ったのは、さらに大きなドロップでも、より激しいフェスティバル・アンセムでもない。失恋、喪失、内省、そして再び何かを感じたいと願う自分自身だった。
Tomorrowlandで思わず漏れた、アルバムの存在
『REVELATIONS』の存在が最初に明らかになったのは、いささか偶然だった。今年7月、TomorrowlandでOne World Radioのインタビューを受けていたTimmy Trumpetは、本来アルバムについて発表する予定ではなかったという。しかし会話の最中、思わずその存在を口にしてしまった。いわば“フライング発表”から約2カ月。今回ついに、その全貌が明らかになった。
『REVELATIONS』は全15曲で構成されるヴォーカル・アルバム。Olivia Sebastianelli、Frank Walker、John Martin、Richard Judge、Bow Andersonら、多彩なアーティストが参加している。
その先行曲となるのが、Alle Farbenとの「Chase The Feeling」だ。
夏を終わらせない「Chase The Feeling」
「Chase The Feeling」は、Timmy Trumpetの代名詞でもある生のトランペット・サウンドをスタジオ作品へと持ち込み、Alle Farbenのポップなダンスミュージック感覚と融合させたハウス・トラックだ。
ヴォーカルにはブライトンを拠点とするシンガー/ソングライター/プロデューサーのALEXXをフィーチャー。開放的なメロディと一聴して耳に残るフックを軸に、サンライズからサンセットまで似合う、文字通り“夏を終わらせない”ような一曲に仕上がっている。
ただし、その明るさだけを切り取ると、『REVELATIONS』という作品の核心を見誤るかもしれない。
アルバムの背景にあるのは、Timmy Trumpet自身が経験した大きな喪失だ。
フェスティバル・アンセムを離れ、失恋を曲にした一年
『REVELATIONS』は、Timmy Trumpetにとって困難な一年を通して書かれた作品だという。
長年のパートナーとの関係が終わったことが、その大きな契機となった。パンデミックによる世界的な活動停止期間には、オンラインで見守る多くのファンの前でプロポーズ。2年後にはブダペストの歴史的建造物ブダ城で結婚式を挙げるなど、その関係の節目はファンにも共有されてきた。
その関係の終わりは、彼の人生だけでなく音楽にも変化をもたらした。
Timmy Trumpetは、自身の代名詞となっていたフェスティバル向けの楽曲を発表することから一時的に距離を置き、ソングライティングそのものと向き合ったという。それは失恋や失われた愛、その後に残された感情を整理するための、一種のセラピーでもあった。
その変化を最初に伝えたのが、今年3月にOaksを迎えて発表された「Not A Place」だった。半年以上のリリース休止を経て届けられた同曲では、それまでのTimmy Trumpet作品では前面に出ることの少なかった、感情的な脆さが露わになっている。
そして「Chase The Feeling」は、その物語の次の段階に位置する。
悲しみの中に留まるのではなく、もう一度人生と接続し、もう一度“何かを感じること”を追いかけていく。そのタイトルは、『REVELATIONS』が向かおうとしている場所を象徴しているようにも響く。
失恋から「もう一度感じること」へ ── 15曲で描く『REVELATIONS』
公開されたトラックリストには、その感情の変化を想起させるタイトルが並んでいる。
- Not A Place (feat. Oaks)
- Dance Till I Die – with Olivia Sebastianelli
- Chase The Feeling (feat. ALEXX) – with Alle Farben
- All My Life (feat. John Martin) – with Frank Walker
- Dancing On The Edge
- Wanna Be Loved (feat. Moa Lisa)
- Roses (feat. Richard Judge) – with bradeazy
- In My Head – with Jethro
- Drinking To Forget You (feat. CERES)
- Will I Be Alright (feat. Martin Jasper)
- Into The Unknown
- Ordinary Love (feat. Bow Anderson)
- Close (feat. Moa Lisa)
- Live Before I Die (feat. Thomas Edwards)
- One Broken Heart
「Wanna Be Loved」「Drinking To Forget You」「Will I Be Alright」「Into The Unknown」、そして最後を飾る「One Broken Heart」。
タイトルだけを追っても、そこにはひとつの関係が終わった後の混乱から自己省察へ、さらに受容や希望へと向かっていく物語が浮かび上がる。『REVELATIONS』は、単に15曲を収録したダンス・アルバムではなく、ひとつの感情的な時間軸を持った作品となりそうだ。
“Freaks”の向こう側へ。Timmy Trumpetが見せる新たな顔
Timmy Trumpetは、これまでに累計50億回以上のストリーミング再生を記録し、代表曲「Freaks」は10億回再生を突破。Tomorrowlandをはじめ世界各地の大型フェスティバルで存在感を示し、Armin van Buuren、ALOK、Robin Schulz、Hardwell、Afrojack、Dimitri Vegas & Like Mikeらともコラボレーションを重ねてきた。
その一方で、もともとはクラシックな教育を受けたジャズ・ミュージシャンでもあり、13歳でオーストラリアのYoung Musician of the Yearに選ばれた経歴を持つ。
対するAlle Farbenは、ベルリンを拠点に20年以上活動し、25億回を超えるストリーミング再生を記録。ディープ/テックハウス寄りのクラブサウンドと、巨大フェスティバルにも対応するポップなダンスミュージックを横断してきたプロデューサーだ。
そんな2人が送り出した「Chase The Feeling」の明るさと、その背後にある『REVELATIONS』の個人的な物語。このコントラストこそが、今回のプロジェクトを興味深いものにしている。
何万人もの観客を一瞬で沸騰させることを知っているアーティストが、今度は自分自身の内側へと降りていく。
『REVELATIONS』というタイトルが意味する“啓示”あるいは“告白”。その言葉通りの作品になるのか。Timmy Trumpetの新たなフェーズを告げるアルバムは、10月23日にSpinnin’ Recordsからリリースされる。

Artists: Timmy Trumpet, Alle Farben
Title: Chase The Feeling
Label: Spinnin’ Records
Release date: September 18, 2026
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