曲は骨組みにすぎない ── ミシェル・ンデゲオチェロ、チャカ・カーンやシンシア・エリヴォらと紡ぐデュエットAL『シノニム』を10月2日にリリース

©︎Charlie Gross

連続グラミー受賞という快挙を経て、ミシェル・ンデゲオチェロがまた一枚、時代に揺さぶりをかける作品を携えて戻ってきた。2年ぶりの新作アルバム『シノニム』が10月2日にリリースされる。チャカ・カーン、シンシア・エリヴォ、キャット・パワー、ブランディ・カーライル、アノーニ、WILLOW、Robert Glasper ── 超豪華ゲスト・ヴォーカリストたちを迎えたデュエット・カヴァー集は、60年代のフォークから2000年代初頭のヒップホップまでを一本の呼吸で渡り歩く、壮大な音楽的対話だ。先行シングルとしてシンシア・エリヴォとの「愛のおとずれ」(原題:Knew You Were Waiting (For Me))がすでに配信スタートしている。

「同義語」というタイトルに込めた、人間への眼差し

アルバム名「シノニム(Synonym=同義語)」には、「私たちはそれぞれ違う存在だけど、人間という存在の本質は同じ」という信念が込められている。アレサ・フランクリン&ジョージ・マイケルからヤーブロウ&ピープルズ、ドリー・パートン&ケニー・ロジャース、ジャ・ルール&アシャンティ、ソニー&シェール、テンプル・オブ・ザ・ドッグ、ブライアン・イーノまで ── オリジナルがすべてデュエット、あるいは複数の声による作品であることも、このアルバムの構造的な意図のひとつだ。

ンデゲオチェロはこう語る。「この作品は、多くの人に愛され続けてきたクラシック・ソングへのオマージュです。楽曲ごとに異なるトーン、ジャンル、意図されたグルーヴがあります。でも同時に、喜び、自分らしさ、個々の表現、そして人類に共通する経験についての作品でもある。他人の曲を自分たちなりの声やキャラクターで演奏する感覚は、ワシントンD.C.時代にゴーゴー・バンドで演奏していた頃に身につきました。曲というのは、あくまで骨組みにすぎないのです」。

グラミー2年連続受賞の勢いそのままに

ブルーノート・デビューとなった2023年作『オムニコード・リアル・ブック』でグラミー賞を受賞し、2024年2月の来日公演もソールドアウト。続く2024年作『ノー・モア・ウォーター』で再びグラミー賞を手にしたンデゲオチェロは、今やその時代における最も重要なプロデューサー/ベーシスト/シンガー・ソングライターのひとりとして世界的に評価されている。

ベラ・フレック、ラリー・ゴールディングス……演奏陣も最高峰

プロデュースはンデゲオチェロ、エイブ・ラウンズ、そして初期作品に深く貢献したデイヴィッド・ギャムソンによる共同制作。ベラ・フレック(バンジョー)、ディーントニ・パークス(ドラム)、ラリー・ゴールディングス(キーボード)、クリス・ブルース(ギター)、ジョシュ・ジョンソン(サックス)、エレーナ・ピンダーヒューズ(フルート)と、参加ミュージシャンの顔ぶれもこれ以上ないほどの充実ぶりだ。

ンデゲオチェロの父は陸軍のビッグバンドでカウント・ベイシーやデューク・エリントンを演奏していたという。スタンダードを自分たちの声で解釈するという行為が、彼女の血肉に深く刻まれているのがわかる。15曲、15通りの邂逅——それぞれが完全に異なる感触を持ちながら、ひとつのアルバムとして揺るぎない存在感を放っている。

ミシェル・ンデゲオチェロ『シノニム』
2026年10月2日リリース UCCQ-1233 SHM-CD ¥3,300(税込)
https://Meshell-Ndegeocello.lnk.to/SynonymEM

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