
ブラジル・レシフェから現れた異端児、Holandês。いま世界のクラブシーンで静かに熱視線を集める彼が、ワールドツアーの一環として東京に登場する。
舞台となるのは、新たに始動するパーティシリーズ「OUT OF SYNC」。ジャンルや地域を横断する出演者たちが集結し、既存のクラブミュージックの枠組みを軽々と飛び越える一夜が幕を開ける。
バイレファンキの”その先”を更新するHolandês
HolandêsことPedro Motaは、ブラジル北東部・レシフェ出身の25歳。そのキャリアは、ギャング文化や暴力的なリアリティをストレートに描くバイレファンキのサブジャンル「ファンキ・プロイビダオン」から始まった。しかし現在の彼は、そのルーツを残しながら、まったく新しいサウンドへと到達している。
最新EP「BAILE」では、ブレイクビーツ、テクノ、ダブ、ベースミュージックを自在に横断し、その隙間からブラジル固有のリズムが立ち上がる。南米のローカルカルチャーと世界中のクラブミュージックが衝突し、まったく新しいダンスミュージックへと変異した作品だ。
DJセットでもそのスタイルは健在。ベースミュージックからドラム&ベース、エレクトロニック、テクノ、そしてブラジリアン・ミュージックまでを縦横無尽に接続し、エネルギッシュでありながら深い没入感を生み出す。
日本でこの体験ができる機会は、極めて貴重と言えるだろう。
新パーティ「OUT OF SYNC」が目指す”ズレ”の美学
今回スタートする「OUT OF SYNC」は、バイレファンキ・セレクターとして活動するバイレファンキかけ子が、Holandêsという唯一無二の存在を迎えるために立ち上げた新しいパーティシリーズ。タイトルが示す「同期しない」という言葉通り、この夜に集まる出演者たちは、共通項よりも”違い”によって結び付けられている。
その象徴となるのが、宇宙チンチラとの新ユニットgalaxychinchilla & kakeko。専門性を極限まで突き詰めながらも、その枠組みから自由に逸脱する姿勢は、「OUT OF SYNC」の思想そのものを体現している。
東京のビートシーンを横断する個性派たち
ラインナップには、日本を代表するジャングル・コレクティヴTribal ConnectionのDJ YAHMANも出演。膨大な音楽知識とイマジネーションを武器に、Holandêsとの予測不能なセッションを繰り広げることになりそうだ。
さらに、TYO GQOMのレーベルUSI KUVOからEP『Amaharashi』を発表し注目を集めるmoemikiも参加。ゴルジェやジューク/フットワークを独自に解釈したそのサウンドは、鋭利な高音と重量級の低音、ノスタルジーと未来性を同時に鳴らす。
そして東京の進行形ビートシーンを象徴するYurushite Nyanの存在も、このイベントの重要な軸となるだろう。
加えて、前衛的なパーティカルチャーを展開するPomaeraクルーNeetorium *43.から、ラテンコア名義Alcoólicoもラインナップ。ブラジル、ラテン、ベースミュージック、ジャングル、ジューク——それぞれ異なる文脈が、この夜ひとつのフロアで交差していく。
東京でしか生まれない”同期しない”ダンスフロアへ
平日開催という条件を受け入れてまで実現したHolandêsの東京公演。それは単なる海外DJ招聘ではなく、ブラジル・アンダーグラウンドと東京の最前線が出会う実験でもある。
世界中のクラブミュージックが均質化へ向かう時代だからこそ、この夜は”同期しない”ことに価値がある。既存のジャンルでは説明できない音楽に出会いたい人へ。「OUT OF SYNC」は、その感覚を更新するための入口になるはずだ。

EVENT INFO
OUT OF SYNC
日時
2026年7月2日(木)
OPEN 18:00
料金
Door:2,000円
19:00までの入場:1,000円
Special Guest:
Holandês(Brazil)
DJs:
- Alcoólico
- DJ YAHMAN(Tribal Connection)
- galaxychinchilla & kakeko
- moemiki
- Yurushite Nyan
