
「안녕(アンニョン)」という言葉は、こんにちはでもさようならでもある。その両方の意味を同時に持つ一語が、このEPの出発点にある。ソウルを拠点に活動するラッパー/プロデューサーKOREANGROOVEが、新作EP『K-808』を2026年6月7日にリリースした。韓国の伝統的な叙情性と、808ベースの現代的なパワーを一つの文法として統合した7曲 ── これはK-HIPHOPが次の扉を開く音だ。
「니나노(ニナノ)」と「강강술래(カンガンスルレ)」が、808で鼓動する
KOREANGROOVEがこのEPで試みたのは、単なる伝統との融合ではない。韓国の民謡「ニナノ」や輪舞行事「カンガンスルレ」といった文化的記憶を、今この瞬間の音楽言語として再起動させることだ。プロデューサーチーム・OLVが手がけるキャッチーな電子音とTrapの文法が交差し、独自の中毒性とエモーショナルな感性が同居するサウンドが生まれた。ボーカリスト/シンガーソングライターのMalitabuが本作をナレーションで「受け継がれてきた伝統を昇華した新しい言語」と表現したその言葉は、7曲を通して聴けば腑に落ちる。
ZENE THE ZILLA、イ・パクサ ── 豪華客演が世界観を立体化する
ゲスト陣のラインナップが、このEPの振れ幅を物語る。「MOVE」ではKOREANGROOVEとの長年のコラボレーションで知られる人気ラッパーZENE THE ZILLAが堂々と登場。『SHOW ME THE MONEY 12』で一躍注目を集めたNosunが「NINANO」でシーン随一の繊細さを持ち込み、「BREAK TIME」ではDouble Downがグルーヴを担う。そして最大のサプライズは「BABORAEYO」 ── 韓国電子音楽のアイコン、신빠람 이박사(イ・パクサ)との共演だ。世代を超えた対話が、「K-808」というジャンルの懐の深さを証明している。
「안녕(アンニョン)」 ── 過去・現在・未来へのメッセージ
先行シングルとして公開された「ANNYEONG」は、このEP全体の意味を集約した一曲だ。「こんにちは」でも「さようなら」でもある「안녕」のフレーズに、これまでのキャリアの苦労、今の仲間たち、そしてこれからの展望を率直に乗せた。過去を肯定し、現在に立ち、未来に向かう ── その姿勢がそのままKOREANGROOVEという音楽家の現在地だ。
ラップ、トラックメイク、ミックス、マスタリングまで全工程を自ら手がけるオールラウンダーとして2016年からキャリアを積み、数多くの有名アーティストのプロデュース・エンジニアリングも担ってきたKOREANGROOVE。「K-808」という新ジャンルの提唱は、10年分の積み重ねが後ろにある宣言だ。

KOREANGROOVE EP『K-808』
2026年6月7日リリース(7曲収録)
