“LAの至宝”キーファー、名門ブルーノートへの移籍を発表 ── ジャズの未来を切り拓くニュー・アルバムが今秋に降臨

ロサンゼルスの音楽シーンが生んだ至高の才能、キーファーが、ジャズ界の最高峰レーベルであるブルーノートと新たに契約を交わした。さらに、今秋には同レーベルから待望のニュー・アルバムをリリースするという、世界中の音楽フリークを狂喜させるビッグニュースが飛び込んできた。

ジャズ、ヒップホップ、エレクトロを唯一無二のセンスでブレンドし、現代のビート・ミュージック・シーンを牽引するピアニストでありプロデューサーのキーファー。2017年のデビュー以降、その洗練されたメロウな鍵盤捌きと極上のグルーヴでリスナーを魅了し続け、アンダーソン・パークやドレイクのプロデュースを手がけグラミー賞を受賞するなど、名実ともにトップクリエイターとしての地位を確立している。ここ日本でも、東京・大阪・福岡を熱狂に巻き込んだ今年の来日公演の記憶が新しい

名門ブルーノートとの邂逅は、彼にとって単なるステップアップではなく、自らの音楽人生のルーツへと回帰する運命的な出来事だ

ブルーノートとの契約という「運命」:アイデンティティの肯定

今回の契約にあたり、キーファーは自身の幼少期の記憶を交えながら、次のように胸中を明かしている

「4歳の頃、父は偉大なジャズ・ミュージシャンたちのレコードを僕に聴かせながら、その名前を僕に覚えさせようとしていたよ。ジョン・コルトレーン、デクスター・ゴードン、そしてソニー・クラーク──。父が僕にジャズを教えるためにかけていたのは、ブルーノートの作品だったんだ。ブルーノートはジャズ史上もっとも象徴的なレーベルだ。ジャズを愛する一人の音楽家として、そこに加わることは大変な名誉だよ。そして、ブルーノートのカタログとともに育った人間として、今回の契約はとても感慨深く、僕の人生を肯定してくれるような出来事だね」

ブルーノートの歴史に新たな1ページを刻むキーファーへの期待は、レーベル側からも極めて高い。ブルーノートの社長であり、自身も伝説的なプロデューサーであるドン・ウォズは、キーファーの本質をこう絶賛する

「キーファーは、ジャズ・ハーモニー、ヒップホップ・プロダクション、 trenches(ビート・カルチャー)を等しく吸収しながら育った新世代のピアニスト/コンポーザーを代表する存在です。モダンなプロダクションの奥に、深い感情表現と洗練された音楽性を持つミュージシャンがいて、それが彼を特別な存在たらしめています。確かなタッチ、グルーヴ感、配置の妙、そして独自の作曲家としてのアイデンティティも備えています。キーファーは現代音楽が向かう未来を最も明確に示しているアーティストの一人であり、彼の作品をブルーノートからリリースできることを大変うれしく思います」

名匠ドン・ウォズにここまで言わしめるキーファーが、ジャズの殿堂で一体どのようなケミストリーを起こすのか。今秋のニュー・アルバムへの期待は膨らむばかりだ

宙ぶらりんな表現者たちの救済:自らキュレーションするフェス「Over The Breaks」開催

さらにキーファーは、もう一つの重大なプロジェクトを発表した。9月18日、19日の2日間にわたり、地元ロサンゼルスにて、自らがキュレーションを務める新たな音楽フェスティバル「Over The Breaks」を開催する

このフェスティバル立ち上げの背景には、現代のクロスオーバーな音楽シーンにおける彼の強い問題意識と、コミュニティへの愛がある

「“Jazz Adjacent(ジャズ隣接系)”というカテゴリーに入れられるアーティストにとって、その表現は曖昧で扱いづらいという問題があると思っている。表現が宙ぶらりんな立場に置かれた多くのアーティストが、既存のフェスティバルのラインナップの中で居場所を見つけるのに苦労しているのも偶然ではない。そこで僕は自分の音楽を”Over The Breaks”と呼ぶことにして、同じようなサウンドを持つアーティストたちを集めたフェスティバルを企画したんだ」

フェスティバルの名称は、ヒップホップ界の不滅の天才、J・ディラ(J Dilla)の楽曲に由来している。そして初日のヘッドライナーには、その楽曲「Over The Breaks」の共同プロデューサーであり、生ける伝説のドラマー/プロデューサーであるカリーム・リギンス(Karrem Riggins)を迎えることが決定している

「カリーム・リギンスが初日のヘッドライナーを務めてくれることは、この上ない喜びだよ」とキーファーが語るように、このフェスは単なるイベントの枠を超え、現代のジャズとヒップホップの遺伝子が交錯する最前線の聖地となるだろう

ブルーノートという偉大な歴史を背負いながら、自らのフェスティバルで新しいシーンの居場所を作り出すキーファー。彼が提示する未来の音楽から、一瞬たりとも目が離せない。

■ フェスティバル「Over The Breaks」イベント情報

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