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[妄想コラム]Re-Imagine:ジョン・レノンがDAWを手にしたなら ── 革命児が現代の音を手にしたとき、そこに響くのは祈りか、ノイズか
プラグインと詩、そしてプロテスト 「イマジン」という一曲に、どれだけの人が涙を流し、怒りを静め、あるいは燃え上がっただろうか。ジョン・レノンの音楽は、音そのものよりも、その奥にある“人間の祈り”を暴き出す装置であった。ギター一本でも戦える男... -
[連載:GROOVEの錬金術]第4回:境界の彼方へ──アシッドジャズの変質と再編成(1990年代後半~2000年代)
アシッドジャズは1990年代前半に一つの頂点を迎えた。クラブを基盤とする地下文化でありながらも、ポップチャートに食い込む存在感を獲得し、レーベル、アーティスト、DJ、クラウド(観客)が一体となって豊穣な時代を築いたのである。だが音楽史とは常に... -
[音楽語源探偵団]Vol.7:指先の魔術 ── ライトハンド奏法の起源と進化
ギターの世界には、ある瞬間から劇的に演奏スタイルが変わった技法がいくつか存在する。そのひとつが「ライトハンド奏法(タッピング)」である。これは通常ピッキングに使われる右手(ライトハンド)を、ネック上に持ち上げ、直接弦を叩いて音を出すとい... -
[妄想コラム]もし音楽がなかったら ── 映画という夢はどこへ向かったか
映画において、音楽は空気であり、血流であり、そして感情の最後のひと押しである。だが、もしこの世に「音楽」という概念自体が存在していなかったとしたら、映画の歴史、映画というメディアの表現、そして我々観客の体験は、一体どのように変わっていた... -
[連載:ブラジル音楽の地図]第8回:21世紀のブラジル音楽──伝統と実験のクロスオーバー
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る... -
[連載:GROOVEの錬金術]第3回:クラブとクロスオーヴァー ── ロンドン発、アシッドジャズの大衆化戦略
1990年代に入り、アシッドジャズはロンドンの地下クラブ・シーンから次第に地上へと進出し始める。初期における実験性と選民性の強いムーヴメントは、この時期になると多くのリスナーに開かれたポピュラーな音楽としての側面を帯びるようになる。それを牽... -
[妄想コラム]ドラッグが存在しなかったら、音楽のあり方は変わっていたのか?──ある種の文化的前提を失った音楽史の妄想
はじめに:音楽とドラッグの距離感 音楽の歴史をたどるとき、しばしば避けては通れないのがドラッグという存在である。それは決して推奨でも否定でもなく、あまりに多くの創作の場面で、その存在が暗黙の前提として横たわっていたことの指摘にすぎない。サ... -
[連載:FUNK IS POWER]第2回:宇宙からのファンク──Pファンクの拡張と神話化
序章:宇宙へ飛翔するファンクの新境地 1960年代後半、ファンクはジェームス・ブラウンを筆頭に、リズムの革新と身体性の強調によって独自の地平を切り開いた。だが、その先にさらなる拡張をもたらしたのは、ジョージ・クリントン率いるパーラメント/ファ... -
[連載:リスナーの記憶装置]第6回:そしてフィジカル再評価の今──「触れる音楽」がもたらすもの
データの海を泳ぎ疲れた私たち Spotify、YouTube、Apple Music……音楽はあらゆる場所に満ちている。けれど、その無限の再生環境に、どこかで私たちは耳だけを残して、身体を置き去りにしてきたのかもしれない。 もう、音楽を「買う」必要はない。それは便利... -
[連載:ブラジル音楽の地図]第7回:アマゾンの音、内陸のビート──北部ブラジルの音楽地図
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る...