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[妄想コラム]1000年後の耳 ── 未来に遺る音楽とは何か?
音楽の“寿命”を問うということ 私たちが日々聴いている音楽 ── それは果たして、どれほど長く生きられるものなのだろうか。流行歌の多くは数か月で忘れ去られ、名作と呼ばれる楽曲ですら、せいぜい百年かそこらの命である。それでも、1000年というスパンで... -
[連載:リスナーの記憶装置]第2回:鉛筆とリワインド──カセットと“編集”の文化
音楽は、時として「時間」を使って形を変える。カセットテープが登場した時代、音楽は録音という行為を通じて、再構築された。そして、それが生み出したのは、ただ聴く音楽の楽しみだけではなく、自分だけの編集・カスタマイズという新たな文化だった。そ... -
[妄想コラム]もしDTMがなかったなら ── 音楽は誰のものになっていただろう?
自室から始まる音楽が、この世界に与えた革命 楽器が弾けなくても、バンドを組まなくても、レコード会社に拾われなくても、人は音楽をつくれる ── そう教えてくれたのは、パソコンだった。机の上に広がるデジタルの世界で、誰もが自分のスタジオを持ち、誰... -
[連載:JAZZ IN MOTION]現代ジャズ(2000年代〜現在)
ジャズは20世紀初頭のアメリカで誕生し、その後100年以上にわたり進化を続けてきた音楽である。ニューオーリンズの街角で生まれた即興演奏は、やがてスウィング時代のダンスミュージックへと発展し、ビバップによって知的な芸術へと昇華された。さらに、モ... -
[連載:MEMORIES OF THE DANCE FLOOR]第6回:ダブステップからベースミュージックへ ── 低音がつなぐ未来
都市の夜が静かに深まる頃、耳をつんざくような高音ではなく、身体の内側から振動するような低音が鳴る。理屈ではなく、鼓動や呼吸のリズムとシンクロするようなその音を、人は「ベース」と呼ぶようになった。 本連載の締めくくりとしてたどり着いたのは、... -
[連載:What’s Hip-Hop?] 2010年代~現在:新時代のヒップホップ
ヒップホップは1970年代のニューヨーク・ブロンクスで誕生し、ストリートカルチャーとしての精神を持ちながら、音楽、ファッション、アート、そして社会運動と深く結びつきながら進化してきた。80年代には商業的成功を収め、90年代には東西抗争やギャング... -
[妄想コラム]もし奴隷貿易がなかったら、ブルースは生まれなかったのか?
ブルースの源流にあるもの 私たちが知っているポピュラー音楽の多くは、一本の川のように、ひとつの源流から枝分かれしている。R&B、ロックンロール、ヒップホップ、そしてジャズ。これらのジャンルを遡っていくと、必ずといっていいほど、あるひとつ... -
[連載:ブラジル音楽の地図]第3回:ボサノヴァという革命──静けさの中の熱情
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る... -
[連載:リスナーの記憶装置]第1回:SP盤とジャズクラブの記憶
音楽とは、ただ聴くだけのものではない。それは、時代ごとに形を変え、聴く人々に触れられ、感じられ、記憶として刻まれてきたものだ。SP盤が流行った時代、音楽はジャズクラブの空気や、レコード店の静けさにひっそりと息づいていた。その時代に生きた人... -
[連載:リディムの海を渡って]第4回:国境を越えて ── レゲエがディアスポラとして歩んだ道
強く、優しく、揺らめくように響く音。レゲエはジャマイカの土の匂いとともに生まれ、やがて海を渡り、世界中の心に根を下ろした──。 なぜこの音楽はこれほど人を惹きつけるのか?どこまでが「レゲエ」で、どこからがその先なのか? 本連載では、誕生から...