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[妄想コラム]もしこの世にリズムがなかったら ── 音楽シーンはこうなっていたかもしれない
音楽にリズムがなかったら? そんなこと、考えたことがあるだろうか。リズム、それは音楽の脈であり、心臓である。耳に聴こえる鼓動、体を揺らすビート、無意識に足を動かす力 ── それらすべてはリズムの魔法だ。だがもし、この世界にリズムという概念が... -
[音楽語源探偵団]Vol.5:「ドレミファソラシド」は誰が発明したのか ── 音楽教育を変えた中世のイノベーター
私たちが何気なく口にする「ドレミファソラシド」という音の並び。その響きは幼いころから耳に馴染み、歌の基本として広く浸透している。しかし、この音階表現がどこから来たのか、誰が言い始めたのかを知る人は少ない。本稿では、この「ドレミファソラシ... -
[連載:リスナーの記憶装置]第4回:iTunesと「所有」から「管理」へ
音楽の聴き方が大きく変わったのは、iTunesという革命的な登場からだった。音楽は、もはや物理的な「所有」ではなく、データとして「管理」される時代に突入した。iTunesの登場は、音楽に対する私たちの意識を根本から変え、CDのように「手に取る」ことな... -
[妄想コラム]映像がなければ音楽はどう変わったか ── “MTV不在の音楽史”を妄想する
1981年、アメリカで産声を上げたMTV(Music Television)は、音楽に映像という魔法をかけた。以来、音楽は「聴くもの」から「観るもの」へと変貌を遂げていく。だが、もしこのメディアが存在しなかったとしたら、私たちの音楽体験はどのように変わっていた... -
[連載:リディムの海を渡って]第6回:いま、レゲエを生きる ── その未来はどこへ向かうのか
強く、優しく、揺らめくように響く音。レゲエはジャマイカの土の匂いとともに生まれ、やがて海を渡り、世界中の心に根を下ろした──。 なぜこの音楽はこれほど人を惹きつけるのか?どこまでが「レゲエ」で、どこからがその先なのか? 本連載では、誕生から... -
[妄想コラム]メジャーもマイナーもない世界で、僕たちは何を聴くのだろう?
「明るい曲ですね」「この部分、マイナーで泣ける」 ── そんなふうに、僕たちはごく自然に音楽を“感情”で分類してきた。楽譜の上ではメジャー(長調)は陽気さや前向きさを、マイナー(短調)は切なさや内省を意味する。音楽を学び、聴き、作る人間にとっ... -
[連載:ブラジル音楽の地図]第5回:アフロ・ブラジルの鼓動 ── バイーアからの黒い詩学
ブラジルの音楽は、ただのジャンルやリズムの集まりではない。それは広大な国土に根を張る無数の文化の交差点であり、歴史的な重層性と現代的な革新が常に交錯しているダイナミックな音の海だ。本シリーズでは、サンバの起源から現代のクラブシーンに至る... -
[音楽語源探偵団]Vol.4:誰が“ライブハウス”と呼び始めたのか?── 和製英語に宿る日本音楽の情熱
「ライブハウス」という言葉を聞いて、どこか懐かしさを覚える人は多いだろう。煌びやかなステージ、耳をつんざくような音圧、観客との一体感 ── ライブハウスは青春の記憶であり、文化の交差点である。しかし、冷静に考えてみると、この言葉はどこか奇妙... -
[妄想コラム]もし「イカ天」がなかったら ── バンドが市民権を得る前の日本音楽史を想像する
素人がテレビに出て、人生が変わった時代 1989年。深夜番組『三宅裕司のいかすバンド天国』、通称「イカ天」は、音楽とテレビ、そして素人の情熱が奇跡的に交錯した装置だった。番組のルールはシンプルで、アマチュアバンドが登場し、週ごとの勝ち抜き戦を... -
[連載:リスナーの記憶装置]第3回:CDと90年代のJ-POP黄金時代
音楽メディアは時代ごとに、私たちに新たな音の「体験」を提供してきた。CDが登場し、90年代のJ-POPが黄金時代を迎えたその瞬間、音楽は技術的な進化と相まって、大衆化と商業化を果たした。CDのクリアな音質と無限にリピートできる再生の自由は、私たちに...