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[妄想コラム]もしヒットチャートがすべてAIのものになったら ── 人間の音楽はどこへ向かうのか?
AIの進化によって、音楽制作の現場は大きく変わりつつある。作詞、作曲、編曲、ボーカル生成、さらにはミキシングやマーケティングまで、自動化が可能な領域は広がり続けている。現時点でも、AIによって制作された楽曲がチャートに登場することは珍しくな... -
[連載:クラシックの歴史]第3回|壮麗なるバロック:音楽が劇になるとき
音楽は、どこから来て、どこへ向かうのか。 「クラシック音楽」と聞くと、あなたはどんなイメージを抱くだろうか。堅苦しい、難しそう、あるいは昔の音楽 ── 。けれど、それはほんの一部に過ぎない。 クラシック音楽とは、9世紀の祈りの声から始まり、劇場... -
[妄想コラム]100年後のライブハウス ── 音が響く場所は、まだ“ハコ”なのか?
序章 ライブハウスはどこへ向かうのか ライブハウスとは何か ── その定義は、時代とともに変容してきた。20世紀末から21世紀初頭にかけて、ライブハウスは音楽の「現場」であり、身体と言葉と音が交差する熱量の空間だった。だが、パンデミック以降の世界... -
[連載:MEMORIES OF THE DANCE FLOOR]第3回:デトロイトとテクノ ── 機械のビート、都市の記憶
錆びた工業都市から生まれた未来音楽 デトロイトの名前を聞いたとき、多くの人が思い浮かべるのは、かつてアメリカの自動車産業を支えた「モーターシティ」という異名だろう。だが1980年代に入ると、グローバル資本主義の波に飲み込まれ、街の心臓部であっ... -
[妄想コラム]音の記憶なき世界で ── もしサンプリングが存在しなかったら
「引用」がない音楽は、果たして可能か? サンプリングとは、音楽の一部を切り取り、再構築し、新たな文脈で響かせる行為である。その起源はアカデミックな電子音楽やダブのスタジオ実験にまで遡るが、とりわけ1980年代以降のヒップホップやエレクトロニッ... -
[連載:リディムの海を渡って]第1回:レゲエ以前 ── ジャマイカ音楽のルーツを探る
強く、優しく、揺らめくように響く音。レゲエはジャマイカの土の匂いとともに生まれ、やがて海を渡り、世界中の心に根を下ろした──。 なぜこの音楽はこれほど人を惹きつけるのか?どこまでが「レゲエ」で、どこからがその先なのか? 本連載では、誕生から... -
[連載:ROCKを学ぶ]2000年代以降のロック:再解釈と融合の進化
歪んだギターの音が鳴り響いた瞬間から、ロックはただの音楽ではなくなった。1950年代、ロックンロールという衝動が生まれ、若者たちの心に火をつけた。それは時代の波にもまれながら、怒りや希望、愛や絶望を叫び続けてきた。反逆の60年代、熱狂と混沌の7... -
[妄想コラム]もし1960年代に7弦ギターが存在したら ── ジミ・ヘンドリックスが開いたもうひとつの地平
「もしジミ・ヘンドリックスが7弦ギターを手にしていたら」。 そんな仮定は、音楽好きにとっては想像力を刺激する問いかけである。1960年代末、サイケデリック・ロックとブルース、ソウル、ファンク、ジャズが渾然一体となって生まれた音楽の奔流のなかで... -
[連載:クラシックの歴史]第2回|祈りの音楽:中世・ルネサンスの響き
音楽は、どこから来て、どこへ向かうのか。 「クラシック音楽」と聞くと、あなたはどんなイメージを抱くだろうか。堅苦しい、難しそう、あるいは昔の音楽――。けれど、それはほんの一部に過ぎない。 クラシック音楽とは、9世紀の祈りの声から始まり、劇場、... -
[連載:JAZZ IN MOTION]モード・ジャズとフリー・ジャズ (1960年代)
ジャズは20世紀初頭のアメリカで誕生し、その後100年以上にわたり進化を続けてきた音楽である。ニューオーリンズの街角で生まれた即興演奏は、やがてスウィング時代のダンスミュージックへと発展し、ビバップによって知的な芸術へと昇華された。さらに、モ...