ステージは物語を語らなければならない ── Mark Rietveldと360 Show Designが再定義する、フェスティバル体験の未来

Tomorrowland、EDC Las Vegas、Creamfields、Defqon.1 ── 世界が誇るフェスティバルの舞台裏には、常に名前を持たない設計者がいる。オランダ出身のMark Rietveldはその一人だ。自身が共同経営するクリエイティブ・プロダクション会社、360 Show Designの舵を握りながら、約20年にわたって世界の大舞台のビジュアルとアーキテクチャを形成してきた彼は今、EDC Las Vegas 2026での伝説的ステージ「Basspod」の再設計という新たなマイルストーンを打ち立てた。

ゲートが開く前から、体験は始まっている

Rietveldが繰り返し語るのは「すべての忘れがたいフェスティバル体験は、ゲートが開く前に始まる」という信念だ。彼にとってステージデザインはエンジニアリングの問題ではなく、ストーリーテリングの問題だ。建築的設計、技術的革新、照明、ビジュアル・ストーリーテリング、そして観客の心理 ── それらすべてが交差する場所に360 Show Designの仕事は存在する。

「優れたショーデザインとは、まず第一に人を動かす瞬間を作ることです。それが人々の記憶に残るものになる。フェスティバルのステージであれ、ツアー・プロダクションであれ、目標は常に同じ ── 創造性、音楽、感情を通じて人々をつなぐ体験を作ること」。

その言葉は抽象論ではなく、Defqon.1(2008〜2023年)、Qlimax(2008〜2019年)、Mysteryland(2010〜2023年)、FIFA World Cup Qatar 2022、Lost Lands Festivalと続くキャリアの集積から生まれたものだ。

3人の協働が生む、世界基準のプロダクション

360 Show Designの強みはRietveldひとりに帰するものではない。Head of ProductionのBart Straverは、複雑なコンセプトを実際のライブ・プロダクションへと転換するための技術的計画と制作コーディネーションを担う。Head of DesignのPieter Truijenは、芸術的ビジョンと技術的精度を両立させた没入型ステージ環境のクリエイティブ設計を主導する。この3人が構築した協働ワークフローは、ヨーロッパ、北米、南米、中米、オーストラリア、中東にまたがるプロジェクト群で磨き上げられ、会社の最大の強みとなっている。

EDC Las Vegasの「Basspod」が、また生まれ変わった

2026年の最大のトピックはやはり、EDC Las Vegasにおける「Basspod」ステージの全面再設計だ。エレクトロニック・ミュージック・フェスティバルの文化的象徴ともいえるこのステージを刷新するというタスクは、360 Show Designの技術と美学の高さを世界に示す格好の舞台となった。同年の主要仕事にはVerkniptのZiggo Dome、Don’t Let Daddy Know Amsterdam、グアテマラのEmpire Music Festivalなど多彩な顔ぶれが並び、会社の国際的な広がりをそのまま映し出している。

ステージとは、音楽が始まるための容器ではなく、音楽とともに語り始める生き物だ ── Rietveldと360 Show Designは、その確信を毎回のプロダクションで証明し続けている。


Mark Rietveld
LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/mark-rietveld-amsterdam/

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