
東南アジア発、グローバル・ポップの現在地
インドネシア初のグローバル・ポップ・ガールズグループ、no naが、新曲「rollerblade」をドロップした。拠点となるのはアジア発のカルチャーを世界へと拡張してきた88rising。デビューからわずか1年足らずで世界規模のストリーミングを叩き出してきた彼女たちが、ここにきてさらに大胆な一手を打ってきた。
ガムランの残響とレゲトンの躍動
「rollerblade」は、インドネシアの伝統音楽ダンドゥット、そしてジャカルタのクラブシーンの鼓動を、ラテン由来のレゲトンと交差させた野心作だ。英語とインドネシア語が軽やかにスイッチするボーカルは、まるで都市とローカルを往復する現代のリスナーそのもの。プロデュースを手がけたのは、ラテン・グラミー賞に複数回ノミネートされたAndrés Rebellón。グローバルなポップの文脈に、東南アジアの音響的記憶を違和感なく接続してみせた。
第四の壁を越える、メタなポップ体験
同時公開されたミュージックビデオも見逃せない。舞台は、インドネシアのビーチを思わせる鮮やかなセット。そこに配置されるのは、金属音がきらめくガムラン由来の打楽器メタロフォンと、精密に設計されたダンス。現実と虚構を軽やかに横断しながら、“観る”という行為そのものを巻き込んでいく。振付はSienna Lalau、監督はFa & Fonが担当し、ポップ・ビデオの文法を更新する仕上がりとなっている。
5億再生の先へ──アルバムへ向かう加速
2025年のデビュー以降、「work」「shoot」「superstitious」などのヒットを連発し、累計5億回に迫る再生数を記録。ロサンゼルスとニューヨークで開催されたHead In The Cloudsでのライブも成功させ、すでにその存在は“次に来る”ではなく“すでに来ている”フェーズにある。現在は初のフルアルバム制作も進行中。ローカルとグローバルの境界線を軽やかに滑走する彼女たちのスピードは、まだ落ちる気配がない。
“no na”というアイデンティティ
グループはBaila、Shaz、Christy、Estherの4人編成。インドネシア各地から集まったメンバーは、その多様性自体がコンセプトだ。グループ名は「若い女性」を意味する言葉に由来し、ルーツへの誇りと現代的な自己像を重ね合わせている。R&Bとポップを軸にしながら、Victoria MonétやJanet Jacksonらの系譜を思わせるダンスドリブンなサウンドを展開。そこに東南アジアの温度と湿度を帯びた独自のグルーヴが加わることで、唯一無二のポップが立ち上がる。
「rollerblade」は、ただの新曲ではない。文化と文化が交差する“現場”そのものだ。今、ポップの未来は赤道付近から更新されている。

リリース情報
ご視聴はこちらから:https://no-na.lnk.to/rollerblade
アーティスト : no na
タイトル : rollerblade
配信日 : 2026年 4月 17日(金)
