
先行曲「Howl」が螺旋を描くラヴ・ソングだったのに対し、第2弾シングル「2 Hands」が描くのは、愛する人ではなく音楽に人生を捧げるという決意だ。ブルックリンを拠点に活動する日系アメリカ人のギタリスト/シンガーソングライター、メイ・シモネスが新曲「2 Hands」を10月29日にリリースし、ミュージック・ビデオも公開した。2027年1月15日にVerve/Interscopeから発売されるニュー・アルバム『Howl』からの先行シングルとなる。
「人生を捧げてもまだ足りない」と歌う、覚悟の一曲
メイは日本語と英語を行き来しながら、この両手も心のすべても差し出すと歌う。人生を捧げてもまだ足りず、道はいつまでも続いていく。それでも生きている限り、自分が何をすべきかは分かっている。そんな揺るぎない決意が、音楽へのまっすぐな愛情として綴られている。
サウンドでは、メイとバンドがこれまでで最も幅広いパーカッションを導入した。ドラマーのランサム・マッカーティが、ジャンルにとらわれないメイの音楽に初めてタブラを持ち込み、複雑なリズムと温かなアンサンブルを生み出している。
ブロンクスで撮られた、「仲間と演奏する」喜びの記録
MVの監督はJacob Rodier、撮影地はニューヨーク・ブロンクス。メイのほか、ドラムのランサム・マッカーティ、ヴィオラのノア・レオン、ヴァイオリンのクラウディウス・アグリッパ、ベースのノーム・タンザーという長年のバンド仲間が出演している。
メイはこの映像について、「バンドのメンバーはみんな本当に素晴らしいミュージシャンで、彼らと演奏できることを幸運に思う。この曲はまさにその思いを歌ったもの」と語る。だから今回は、彼らと音楽を奏でることがどんな体験なのか、そして一人ひとりがどれほど才能にあふれているかを伝えたかったという。演奏する喜びと互いへの信頼が、そのままフレームに収まった映像だ。
ジャンルを溶かし、言語を溶かす
ブルックリンを拠点に活動する26歳のメイは、すでにThe New York TimesとStereogumの”Artist to Watch”に選ばれ、PasteのBest of What’s Next、Rolling StoneとThe FADERのArtist You Need to Knowにも名を連ねている。The New York Timesは「Howl」について、ボサ・ノヴァ、インディーロック、ストリングス・アレンジ、英語と日本語の歌詞がさらに複雑に絡み合っていると評した。WNYCは、超絶速弾きではなく、ジャズ、ボサ・ノヴァ、アートロックの独自の融合で楽曲を築く姿を、すでに「ギター・ヒーロー」の定石を書き換えているものとして称賛している。
メイの音楽では、ジャズ、ボサ・ノヴァ、サンバ、グランジの質感をまとったマス・ロックが、別々のジャンルとして並ぶのではなく、ひとつの音楽世界に溶け込んでいる。バイリンガルな歌詞も同じで、ひとつの曲、ときにはひとつのフレーズの中で日本語と英語が行き来し、どちらの言語もサウンドの一部として響く。両方の言語で書く理由を、メイは「その方が、より自分らしいと感じたから」と語っている。
『Howl』はマンハッタンのPower Stationで
自立と身の回りにあるさまざまな愛を祝福した2025年のデビュー作『Animaru』から一歩進み、『Howl』は人生や成長に伴う複雑さへと踏み込む。困難な記憶、束の間の喜び、思いがけない感情の重みを持つ日常のひとコマが、メイならではの視点で描かれる。録音は、ブルース・スプリングスティーン、デヴィッド・ボウイ、トニー・ベネットらが重要なセッションを行ってきたマンハッタンの名門Power Stationで行われた。メイの歌声とギターを軸に、長年の仲間たちが重層的でありながら親密な音の風景を作り上げている。
2027年2月からは、過去最大規模の北米ヘッドライン・ツアーも始まる。2月24日のボストンから3月6日のニューヨークまでは、aron!がサポート・アクトを務める。

メイ・シモネス『Howl』
SHM-CD:UCCV-1220
2027年1月15日リリース Verve/Interscope
日本盤ボーナス・トラック:「Okinawa Song」
収録曲
Howl/素直になりたい/2 Hands/Akumu/Chichibu/Towards Manhattan/Senro/Hoteru/Korokke/Monster/Kira Kira/Okinawa Song(日本盤ボーナス・トラック)

メイ・シモネス「2 Hands」
2026年10月29日リリース
