
back numberの曲を聴いていると、小説を読んでいるような気持ちになる。
歌詞が一人称視点で書かれているからだろうか。主人公が自分の物語を語ってくれているようで、聴いているうちに、歌詞には書かれていないことまでいろいろと想像してしまう。
主人公はどんな見た目をしているんだろう。
相手の女の子の、どんなところが好きなんだろう。
この二人は、この先どうなるんだろう。
曲の中で描かれている物語だけではなく、その先まで想像できるから面白い。
私が好きな曲の主人公たちは、みんな少しかっこ悪い
back numberには恋愛を歌った曲がたくさんあるけれど、私が好きな曲の主人公たちは、みんな少しかっこ悪い。
自信がなくて、勇気もなくて、妄想ばかりしてしまう。でも、そんな彼らからは、相手のことが大好きだということだけは、まっすぐに伝わってくる。
例えば「僕は君のことが好きだけど、君は僕を別に好きじゃないみたい」。
全てを捧げてもいいと思うほど好きな相手に、「好みじゃない」という理由で振られてしまう男の子の話だ。それなのに彼は、全然へこたれない。「来週も言ってみようかな」と考えている。
相手の女の子からしたら、ちょっと怖いかもしれない。
それでも、ここまで好きでいられることが少し羨ましくもなる。何度断られても好きな気持ちを持ち続けて、思いを伝え続けていれば、いつか相手も「うん」と同じ言葉を返してくれるんじゃないか。そんなふうに思ってしまう。
この男の子には、早く報われてほしい。
そういう主人公の姿を想像するのが好きなのだ
そして、私が毎年12月が近づくと毎日のように聴いてしまうのが「クリスマスソング」。
この曲の主人公は、少しひねくれている。
歌詞の中では、街ではしゃぐ恋人たちを見て「よく人前でできるな」と思ったり、「いや、別に羨ましくないけど」と強がったりする。「なんで恋なんてしてんだろ」という疑問まで、クリスマスのせいにしてしまう。
でも、そんなことを言いながらも、結局この主人公は相手のことが大好きなのだ。
「大好きだと言った返事が 思ってたのとは違っても それだけで嫌いになんてなれやしないから」
そんな歌詞から、相手を思う気持ちがひしひしと伝わってくる。
特に、最後に「君が好きだ」と伝えるところでは、その短い言葉に、それまで積み重ねてきた全部の思いを詰め込んでいるように感じる。
きっと、少しかっこつけたい気持ちはあるんだろう。でも、そんな余裕なんてなくて、必死な顔をしているんじゃないだろうか。
私は、そういう主人公の姿を想像するのが好きなのだと思う。
少女漫画に出てくるような、何でもできる王子様みたいな男の子ではない。自信がなくて、かっこ悪くて、ちょっとひねくれていて、それでも好きな人のことだけはどうしようもなく大好きな男の子。
そんな彼らの恋愛を、私は「頑張れ」と応援したくなる。
恋愛小説を一冊読んでいるような気持ちに
back numberの曲を聴くたびに、私は歌を聴いているというより、誰かの恋愛小説を一冊読んでいるような気持ちになる。
そして曲が終わったあとも、その主人公たちがこの先どうなるのか、勝手に続きを想像してしまうのだ。

ILLUSTRATION & TEXT: 琉栞







