
ギターアンプ「Spark」シリーズで知られるPositive Gridが、新たなポータブル・スマートアンプ&エフェクトペダル「Spark PEDAL」を発表した。国内ではメディア・インテグレーションより2026年9月25日に発売。9月9日から予約受付がスタートしている。税込希望小売価格は34,980円。
アンプ33種、エフェクト43種、60秒ルーパー、AIによるトーン生成、USBオーディオ、そして最長7時間のバッテリー駆動まで。「Spark」のサウンドとエコシステムを重量560gのペダルへ凝縮し、自宅からステージまでを一台でつなぐ新たなギター・リグが登場する。
「Spark」をアンプから“足元のリグ”へ
「Spark PEDAL」の大きな特徴は、単なるマルチエフェクターではなく、アンプ・リグそのものをコンパクトなペダル型筐体にまとめていることだ。
搭載するのは、「Spark 2」と同等の高精細DSPアーキテクチャ「HD Tone Engine」。33種類のアンプモデルと43種類のエフェクトを備え、エレキギターだけでなく、アコースティックギターやベースにも対応する。
PAシステムへキャビネット・エミュレーションを施したステレオ信号を直接送ることができるほか、通常のギターアンプと組み合わせる際にはキャビネットシミュレーターをオフにし、マルチエフェクターとして使用することも可能。既存のペダルボード、PC、ヘッドフォンなどにも接続できる。
つまり自宅ではヘッドフォンで練習し、そのままスタジオへ持ち出し、ライブではPAへ直接出力する、といった使い方も想定されている。
5つのノブと3つのフットスイッチ。ライブで迷わない操作系
機能が増えれば操作も複雑になる――というデジタル機材につきものの問題に対して、「Spark PEDAL」は5つの多機能ノブと3つのフットスイッチによる「デュアルモード・コントロール」を採用した。
「Amp Mode」では一般的なアンプと同じ感覚でGain、Bass、Mid、Trebleをリアルタイムに調整。メインノブを押して「FX Mode」に切り替えれば、Drive、Modulation、Delay、Reverbといったエフェクトを操作できる。
本体には6種類のカスタムプリセットを保存可能。3プリセット×2バンクの構成で、演奏中はフットスイッチから切り替えられる。
ステージで必要なのは、メニューの深い階層へ潜ることではなく、踏めば音が変わるというシンプルさ。その思想が操作系にも反映されている。

「こんな音が欲しい」をAIに伝える時代
もちろん「Spark」シリーズならではのスマート機能も継承する。
iOS/Android対応の無料アプリ「Spark App」とBluetooth接続することで、「Spark AI」「ToneCloud」「Auto Chords」などの機能を利用可能だ。
なかでも象徴的なのが「Spark AI」。欲しいサウンドのイメージをテキストで入力すると、それをもとにトーンを生成する。膨大なパラメーターを一つずつ調整する従来型の音作りとは異なり、“どんな音が欲しいか”を言葉から探していくアプローチだ。
さらにToneCloudでは、世界中のユーザーが共有する10万以上のトーンへアクセス可能。Auto Chordsでは楽曲を解析し、コードをリアルタイムで表示する。
アンプやエフェクトの知識を積み上げて音を作る方法と、イメージから音へたどり着く方法。その両方を一台の中に共存させているのが、現在のSparkシリーズらしいところだ。



60秒ルーパーと7時間バッテリーで、コンセントからも解放
「Spark PEDAL」には最大60秒のルーパーも内蔵される。録音、オーバーダビング、再生、停止、アンドゥ、クリアまでをハンズフリーで操作できるため、ひとりでフレーズを重ねる練習から即興的なパフォーマンスまで活用できる。
さらに内蔵リチウムイオンバッテリーによって、最長7時間の連続駆動に対応。充電時間は約4.5時間となる。
サイズは幅175×奥行104×高さ54.8mm、重量は約0.56kg。別売のワイヤレスシステム「Spark LINK」と組み合わせればギターとの無線接続も可能で、電源やケーブルに縛られないセットアップを構築できる。

アンプとペダルの境界線は、さらに曖昧になる
USB-C端子は充電だけでなくオーディオインターフェースとしても機能し、1/4インチのステレオ・ライン出力、ヘッドフォン出力、MIDI IN/OUT、エクスプレッションペダル入力なども搭載。Bluetooth 5.0と2.4GHz Wi-Fiにも対応する。
ギターアンプ、マルチエフェクター、ルーパー、オーディオインターフェース、練習ツール――これまで別々の機材が担ってきた役割を、小さなペダルへ集約していく「Spark PEDAL」。
近年のギター機材は、“どれだけ本物のアンプに近づけるか”だけではなく、“プレイヤーがどれだけ自由に音楽を始められるか”という方向へ進化している。その意味でも、Sparkシリーズのサウンドを「アンプ」から解放し、足元へ移した今回の一台は、Positive Gridにとって興味深い展開と言えそうだ。

「Spark PEDAL」は2026年9月25日発売予定。税込希望小売価格は34,980円。予約受付は9月9日よりスタートしている。
