
機材テストのつもりで、アルバムができてしまった。ケニー・ビーツの新しいロサンゼルスのスタジオで行われたはずのコンソール・テストが、気づけば48時間で全曲録音というスプリントになっていた——その衝動と熱量がそのまま音になったプロジェクトが、ここにある。プロデューサーのケニー・ビーツ、ピアニスト/作曲家のキーファー、マルチ奏者カートゥーンズ、ドラマーのネイト・スミスからなる新バンド「FATHERS」が、名門ブルーノートから7月10日にアルバム『FATHERS』をリリースする。先行シングル「PEARL」は今すぐ聴ける。
出会いはモントリオール、そして48時間の奇跡
FATHERSの始まりは2023年、モントリオール・ジャズ・フェスティバルの企画で4人が集結した一夜だった。以来アメリカと日本をツアーしながらバンドとしての絆を深めてきた彼らが、ロサンゼルスのスタジオに集まった目的は本来「機材テスト」だった。それが放っておけず、48時間でアルバムの全曲を録音してしまった。その事実がこのアルバムを貫くライヴ感と一貫した心地よさの正体だ。
ゲストもまた豪華だ。Lewis ColeとのユニットKNOWERで知られるジュネヴィーヴ・アルターディがヴォーカルで参加(#3「PEARL」)し、ソロ・ユニットHETHERでも活動するポール・カステルッツォ(#8「FIGURE 8」)、ニコール・マケイブ(サックス)、ヤスミーン・アル=マツィーディ(ストリングス)が加わり、8曲の世界をさらに豊かに彩っている。
「みんなでいる方が速い」 ── ケニー・ビーツが語るFATHERSの哲学
ケニーはこう語る ── 「ソングライターであり、プロデューサーであり、ミュージシャンでもある人たちが集まると、本当に遠くまで行ける。”一人なら速く行けるが、一緒なら遠くへ行ける”という言葉があるけれど、FATHERSの場合は”みんなでいる方が速い”んだ。そしてこの作品のプロダクションは”見えない”ことを目指している。もしリスナーがプロダクション上のテクニックに気づいてしまうなら、それはうまく機能していないということなんだ」。カートゥーンズも続ける ── 「それぞれが持っているハングリー精神が、一緒になることで巨大な生命体のような力になる」。

リリース情報
FATHERS(ケニー・ビーツ、キーファー、カートゥーンズ、ネイト・スミス)
アルバム『FATHERS』
2026年7月10日 ブルーノートよりリリース
収録曲:EYE LEVEL / PATCHWORK / PEARL / STUB / THE LEAK / TOMORROW, AGAIN / FRONT YARD / FIGURE 8
