28分間、創造の瞬間の剥き出しのエネルギーがここにある ── Scorchの新作アルバム『MAKI STRIKE』

計算しない。計画しない。ただ、音楽が生まれる瞬間のエネルギーをそのままテープに焼き付ける ── ソウル出身のプロデューサー/マルチインストゥルメンタリストScorchが、新作アルバム『MAKI STRIKE』を2026年6月29日(月)にリリースする。全12曲・28分。即興の手法で書かれたこの作品は、前作までの探求がすべて収束し、また新たな場所へと踏み出す、Scorchのディスコグラフィーの中で最も密度の高い一枚だ。

過去のすべてが、ここで一本の線になる

『JA WA』の精緻な電子音楽的構成、『Shadow』と『Full Stop』のムーディーなメロディと内省的なヴォーカル、そして『REI』のグリッチ感——これまでScrochが歩んできた音の実験がすべて、今作に流れ込んでいる。2025年末にEPとしていち早く公開された「REI」が本作にも収録されていることで、その連続性は明確な形を持つ。過去作を知る聴き手なら、ここで一本の赤い糸を感じるはずだ。

ファルセットから歪んだ叫びまで ── 声が楽器になる

『MAKI STRIKE』でとりわけ際立つのは、Scorchの声の使い方だ。「I Can Do Anything 4u」のファルセット、「STAY」の低く切ない深さ——ヴォーカルは単に歌うためのものではなく、ひとつの楽器として機能する。あるトラックでは歌詞が聞き取れなくなるほど強烈に歪み、「Let’s Make The Noise」ではマイケル・ジャクソンのあの「ow」を想起させるリズミカルな短い叫びが飛び出す。自信に満ちた新しいScorchの声が、全編を貫いている。

ジャズ、ゲームサウンド、2010年代エレクトロ ── 12曲が12の顔を持つ

「Take me away」でエレキギターが前面に出て、「Girl」はビデオゲームのサウンドトラックのように聴こえ、「서파Q」は2010年代のエレクトロの質感を呼び起こし、「Mood Maki」はほとんどジャズだ ── このアルバムを一つのジャンルで語ることは最初から不可能だ。麻痺させながら刺激する、眠らせながら揺さぶる。そのアンビバレントな緊張感がこそが、『MAKI STRIKE』というタイトルの実体だ。

全作曲・演奏・録音・ミックスをJun Young Yu(Scorch)自身が手がけ、マスタリングをAustin Doque(FAB Studio)が担当。アルバムアートワークはHeechan Leeによる。

Scorch『MAKI STRIKE』
2026年6月29日リリース(SoundSupply_Service)

https://www.youtube.com/@soundsupply_service6574

https://www.instagram.com/soundsupply_service

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!