[響き合うコーヒーと音楽の世界]第5回:ブラジル サントスNo.2

こんにちは、リトル・パウです。「コーヒーと音楽」の連載コラム、第5回をお届けします。このコラムでは、毎回厳選したコーヒー銘柄をご紹介し、その味わいや背景に寄り添う音楽を10曲選んでいます。コーヒーを淹れ、音楽に耳を傾けるひとときが、皆様の日常にささやかな彩りを与えることができれば幸いです。


今回、私が選んだのは、世界で最も流通量が多く、日本のコーヒー文化にも深く根ざしている、まさに「コーヒーの王道」とも言えるブラジル サントスNo.2です。

ブラジルは、世界最大のコーヒー生産国であり、その中でも「サントス」はブラジルの主要な積出港の名を冠した代表的な銘柄です。「No.2」という等級は、欠点豆の少なさを示すもので、品質の高さが保証されています。広大な大地で育まれ、豊かな太陽の恵みをいっぱいに浴びたブラジルコーヒーは、その穏やかでバランスの取れた味わいが世界中で愛されています。

ブラジル サントスNo.2は、主に非水洗式(ナチュラル)で精製されます。これは、コーヒーチェリーをそのまま乾燥させる方法で、果肉の甘みが豆に移り、独特の優しい風味とボディが生まれます。

カップに注ぐと、ナッツやチョコレート、キャラメルのような甘く香ばしいアロマが穏やかに立ち上ります。口に含むと、角の取れたまろやかな酸味と、しっかりとしたコクが広がり、後味には長く続く甘みが感じられます。苦味も控えめで、全体として非常にバランスが良く、飲み飽きない味わいが特徴です。ブラックでそのまま楽しむのはもちろん、ミルクや砂糖との相性も抜群で、さまざまなアレンジにも柔軟に対応します。毎日のコーヒーとして、多くの人に選ばれる理由がここにあります。

ブラジル サントスNo.2に寄り添う10の音楽

ブラジル サントスNo.2の持つ、優しく穏やかなバランス、ナッツやチョコレートのような甘み、そして日常に溶け込む親しみやすさにインスパイアされた10曲を選びました。肩の力を抜いて、リラックスして聴けるような、心地よい音楽が、ブラジルコーヒーの温かみのある味わいをより一層引き立ててくれるはずです。

Stan Getz & João Gilberto「The Girl from Ipanema」
ボサノヴァの名曲は、ブラジル サントスNo.2の故郷ブラジルを感じさせるにふさわしい一曲です。穏やかで洗練されたリズムが、コーヒーの持つまろやかさと調和します。

John Lennon「Imagine」
ジョン・レノンの普遍的なメッセージを持つこの曲は、ブラジル サントスNo.2の持つ親しみやすさと、心地よい安定感に寄り添います。心を落ち着かせたいときに。

Israel Kamakawiwoʻole「Over the Rainbow」
イズラエル・カマカヴィヴォオレのウクレレと優しい歌声は、ブラジル サントスNo.2の持つ温かみと、心の安らぎを感じさせます。穏やかな朝に、そっと寄り添ってくれるでしょう。

Billie Holiday「Autumn in New York」
ビリー・ホリデイの深く情感豊かな歌声は、ブラジル サントスNo.2の持つ穏やかなコクと、少しのビターさを表現しているかのようです。秋の日に、ゆっくりと味わいたい組み合わせです。

Frank Sinatra「Fly Me to the Moon」
フランク・シナトラのロマンチックで心地よい歌声は、ブラジル サントスNo.2の持つ優雅さと、温かいアロマと調和します。午後のひとときを贅沢に彩る一杯とともに。

Ella Fitzgerald & Louis Armstrong「Summertime」
エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングのデュエットは、夏の午後の気だるさと、その中に感じる心地よさが、ブラジル サントスNo.2の持つリラックスした雰囲気とよく合います。

John Coltrane「My Favorite Things」
ジョン・コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」は、そのメロディックで穏やかながらも、探求心に満ちた演奏が、ブラジル サントスNo.2の持つ飲み飽きない魅力を引き立てます。

Andrea Bocelli「Besame Mucho」
コンスエロ・ベラスケスの名曲。そのロマンチックで情熱的なメロディが、ブラジルコーヒーの持つ温かみと、人々の心を惹きつける普遍的な魅力を表現します。ここで紹介するのはアンドレア・ボチェッリのバージョン。

Doris Day「Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」
ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」は、その明るく前向きなメロディが、ブラジル サントスNo.2の持つ普遍的な心地よさと、日々の生活に寄り添う親しみやすさを感じさせます。

Cat Stevens「Morning Has Broken」
キャット・スティーヴンスの「モーニング・ハズ・ブロークン」は、その穏やかで希望に満ちた旋律が、ブラジル サントスNo.2の持つ優しい口当たりと、一日の始まりに最適な穏やかさを表現します。

ブラジル サントスNo.2と音楽が織りなす穏やかな日常

ブラジル サントスNo.2の、優しくバランスの取れた味わいは、さまざまなジャンルの音楽と心地よく響き合います。今回選んだ10曲は、ブラジルコーヒーの持つ親しみやすさ、温かみ、そして日常に寄り添う普遍的な魅力を意識してみました。

ぜひ、今日丁寧に淹れたブラジル サントスNo.2を片手に、このプレイリストを聴いてみてください。香ばしいアロマが立ち上るカップから一口味わうごとに、音楽の穏やかな旋律があなたの心を優しく包み込み、日々の喧騒から離れ、心地よい調和に満ちた時間へとあなたを引き込んでくれるでしょう。

リトル・パウ:音楽が生活の中心にあるライター。日々の暮らしの中で、音楽をより豊かにしてくれる素敵なものとの出会いを大切にしています。コーヒー、ウイスキー、そして猫が好き。これらは私の創作活動に欠かせないインスピレーションの源です。心に響く音色とともに、皆さんの日常に彩りを添える情報をお届けできたら幸いです。

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