[響き合うコーヒーと音楽の世界]第4回:グアテマラSHB アンティグア

こんにちは、リトル・パウです。「コーヒーと音楽」の連載コラム、第4回をお届けします。このコラムでは、毎回厳選したコーヒー銘柄をご紹介し、その味わいや背景に寄り添う音楽を10曲選んでいます。コーヒーを淹れ、音楽に耳を傾けるひとときが、皆様の日常にささやかな彩りを与えることができれば幸いです。


今回、私が選んだのは、そのバランスの取れた味わいと、深く豊かな香りで名高いグアテマラSHB アンティグアです。

グアテマラのアンティグア地域は、周囲をアグア、フエゴ、アカテナンゴという3つの活火山に囲まれた、コーヒー栽培に最適な土地です。火山灰を豊富に含んだ肥沃な土壌、標高4,500フィート(約1,370m)以上の高地、そして適度な降水量と日照時間が、アンティグアコーヒー独特の風味を育んでいます。SHB(Strictly Hard Bean)の称号は、標高の高さがもたらす硬く引き締まった豆が、素晴らしい酸味と風味を持つことを証明しています。

アンティグアのコーヒーは、主に水洗式で精製されます。これにより、豆本来のクリーンな味わいが際立ち、複雑でバランスの取れた風味が引き出されます。

カップに注ぐと、まずチョコレートのような甘く香ばしいアロマが立ち上ります。口に含むと、アプリコットやリンゴのようなフルーティーな酸味が広がり、同時にキャラメルのような甘みと、どっしりとしたコクを感じられます。後味には、カカオのようなほろ苦さと、スモーキーな香りが長く続き、その複雑ながらも調和の取れた味わいは、まさに「完璧なバランス」と称されるにふさわしいものです。朝食と共に、あるいは午後の休憩に、どんなシーンにも寄り添ってくれる懐の深いコーヒーです。

グアテマラSHB アンティグアに捧げる10の音楽

グアテマラSHB アンティグアの持つ、深く豊かなコク、洗練された酸味、そして完璧なバランスにインスパイアされた10曲を選びました。どこか落ち着きがありながらも、内側に情熱を秘めたような音楽が、アンティグアの持つ多層的な魅力をより一層引き立ててくれるはずです。

Ray Charles「Georgia on My Mind」
レイ・チャールズの魂のこもった歌声と温かいピアノは、アンティグアの深く豊かなコクと、どこか懐かしい安心感と共鳴します。ゆったりとした午後、心地よい時間を過ごしたい時に。

Sting「Fragile」
スティングの「フラジャイル」は、アコースティックギターの優しい音色と、繊細ながらも力強いメッセージが、アンティグアの持つ洗練された酸味と、その背景にある大地の生命力を感じさせます。

Dave Brubeck Quartet「Take Five」
デイヴ・ブルーベック・カルテットの「テイク・ファイブ」は、その特徴的な5拍子のリズムと、軽快ながらも洗練された演奏が、アンティグアの持つ完璧なバランスとリズム感に通じます。集中したいときや、気分転換に。

Jackie DeShannon「What the World Needs Now Is Love」
ジャッキー・デシャノンの歌うこの曲の持つ、普遍的な優しさと温かさは、アンティグアの持つ包み込むような甘みと、心を穏やかにする力と重なります。どんなときでも心に寄り添ってくれるでしょう。

Duke Ellington「Caravan」
デューク・エリントンが奏でる「キャラバン」のエキゾチックで情熱的な響きは、アンティグアの活火山に囲まれた神秘的な土地のイメージと重なります。冒険心や探求心を刺激する一杯とともに。

Simon & Garfunkel「The Sound of Silence (Live from New York City)」
このライブバージョンは、その生々しい演奏と、心に染み渡るハーモニーが、アンティグアの持つ奥深い味わいを一層引き立てます。じっくりとコーヒーと向き合いたいときに。

Cannonball Adderley & Miles Davis「Autumn Leaves」
キャノンボール・アダレイとマイルス・デイヴィスによる「枯葉」は、そのメロディックなインタープレイが、アンティグアの複雑な風味の層を表現しているかのようです。静かな夜に、深く味わいたい組み合わせです。

Eva Cassidy「Over the Rainbow」
エヴァ・キャシディの透明感あふれる歌声と、アコースティックな伴奏は、アンティグアの持つクリアな酸味と、その中にある希望に満ちた甘みを引き立てます。心洗われるようなひとときに。

Erroll Garner「Misty」
エロール・ガーナーの「ミスティ」は、そのロマンチックで優雅なピアノの旋律が、アンティグアの持つ繊細なアロマと、心地よい余韻と調和します。雨上がりの静かな午後に。

Tears For Fears「Everybody Wants To Rule The World」
ティアーズ・フォー・フィアーズのこの曲は、その洗練されたポップサウンドと、どこか憂いを帯びたメロディが、アンティグアの持つバランスの取れた味わいの中に潜む、複雑なニュアンスと響き合います。新しい視点を与えてくれるでしょう。

グアテマラSHB アンティグアと音楽が織りなす穏やかな調和

いかがでしたでしょうか。グアテマラSHB アンティグアの、完璧なバランスと豊かな味わいは、さまざまなジャンルの音楽と心地よく響き合います。今回選んだ10曲は、アンティグアの持つ深み、洗練さ、そして大地の恵みを感じさせる要素を意識してみました。

ぜひ、今日丁寧に淹れたグアテマラSHB アンティグアを片手に、このプレイリストを聴いてみてください。芳醇な香りが立ち上るカップから一口味わうごとに、音楽の穏やかな旋律があなたの五感を優しく包み込み、日々の喧騒から離れ、心地よい調和に満ちた時間へとあなたを引き込んでくれるでしょう。

リトル・パウ:音楽が生活の中心にあるライター。日々の暮らしの中で、音楽をより豊かにしてくれる素敵なものとの出会いを大切にしています。コーヒー、ウイスキー、そして猫が好き。これらは私の創作活動に欠かせないインスピレーションの源です。心に響く音色とともに、皆さんの日常に彩りを添える情報をお届けできたら幸いです。

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