[響き合うコーヒーと音楽の世界]第21回:バリ神山

こんにちは、リトル・パウです。今回、私が皆様をご案内するのは、「神々の島」と呼ばれるインドネシア・バリ島で育まれた、力強い個性を持つ豆、「バリ神山(しんざん)」の世界です。

インドネシアのコーヒーといえば、スマトラ島のマンデリンやスラウェシ島のトラジャなどが有名ですが、バリ島のキンタマーニ高原で栽培される「バリ神山」も近年、その品質の高さから注目を集めています。特にこの地域は農薬や化学肥料を使わないオーガニック栽培が徹底されており、その土地の力強いエネルギーが豆に凝縮されています。

カップに注ぐと、ナッツ、カカオ、そしてほのかに土やスパイスを思わせる、力強いアロマが立ち上ります。一口飲むと、マンデリンほどクセは強くありませんが、しっかりとした厚みのあるボディと、ダークチョコレートのような深いコクが感じられます。酸味は穏やかで、黒糖のような甘さと、時折顔を出す柑橘系の爽やかさが、全体の風味に複雑さを与えています。その味わいは、まさにバリ島の熱帯の自然と、力強い大地のエナジーを感じさせてくれる、「力強さ」と「温かさ」の一杯と言えるでしょう。

バリ神山に寄り添う10の音楽

バリ神山が持つ、力強いコク、大地の温もり、そしてオーガニックな背景にインスパイアされた10曲を選んでみました。アジアン・フュージョン、ブルース、ファンク、そして大地の力を感じるような音楽が、このエネルギッシュな一杯をさらに引き立ててくれるはずです。

Muddy Waters「Mannish Boy
深く、ざらついたギターの音色と、腹の底から響くような歌声は、まるでバリ神山が育まれた肥沃な大地そのもの。マディ・ウォーターズの力強く土臭いブルースは、このコーヒーの持つ、しっかりとした重厚なコクと、根源的な「ルーツ」の風味に完璧に調和します。一口飲むごとに、ブルースの魂が響き渡るような、熱い時間が流れるでしょう。

Jamiroquai「Virtual Insanity」
都会的でありながら、自然なグルーヴと躍動感に満ちたジャミロクワイのファンキーなサウンドは、バリ神山の持つ力強いボディと、飲む人を魅了する心地よいスパイス感を表現しています。洗練されたリズムが、コーヒーの風味を一層引き立て、軽快な気分へと導いてくれます。

Dinah Washington「What a Diff’rence a Day Makes」
ダイナ・ワシントンのソウルフルで、時にかすれるような情感豊かな歌声は、バリ神山の持つ、深く温かいコクと、飲む人に安らぎを与える黒糖のような甘さに優しく共鳴します。優雅でありながらも、コーヒーの芯の強さを感じさせる、至福のペアリングです。

Stevie Ray Vaughan「Texas Flood」
スティーヴィー・レイ・ヴォーンの情熱がほとばしるブルージーなギタープレイは、バリ神山が持つ大地のエナジーと、一気に広がる深いコクを表現しています。彼のギターが刻む一音一音が、熱帯の太陽のような強い生命力を感じさせてくれる、魂のこもったコーヒータイムにぴったりです。

Manu Dibango「Soul Makossa」
エスニックで、力強いリズムが特徴的なマヌ・ディバンゴのアフロファンクは、バリ神山の持つエネルギッシュな背景と、舌に残る独特のスパイス感に調和します。このグルーヴは、コーヒーの奥深い風味を際立たせ、飲む人の心にポジティブな活力を与えてくれるでしょう。

Joe Cocker「With a Little Help from My Friends」
ジョー・コッカーのハスキーで、まるで叫ぶように魂を揺さぶる歌声は、バリ神山の持つ力強い風味と、飲む人に活力を与える温かい甘さに共鳴します。彼の情熱的な表現が、コーヒーブレイクを単なる休息ではなく、情熱的な再起動の時間に変えてくれます。

Khruangbin「Maria También」
空間的な広がりを感じさせるサイケデリックでエキゾチックなサーフロックサウンドは、バリ島の神秘的な情景と、コーヒーの持つ独特なスパイス感を連想させます。静かに流れるメロディが、異国情緒あふれる、深く内省的なコーヒータイムを演出してくれるでしょう。

Gil Scott-Heron「The Revolution Will Not Be Televised」
ギル・スコット・ヘロンの、知的で力強いポエトリーリーディングは、バリ神山がオーガニック栽培という強い信念のもとに育まれている背景と共鳴します。大地への敬意と、社会へのメッセージを感じながら味わう、知的な一杯にふさわしい音楽です。

Booker T. & the M.G.’s「Green Onions」
ブッカー・T・ジョーンズのオルガンが奏でる、土臭くもグルーヴィーなインストゥルメンタルは、バリ神山の持つどっしりとしたボディと、心地よいコクに完璧に調和します。軽快なメロディが、重厚なコーヒーの味わいに軽快なリズムを加えてくれるでしょう。

The Meters「Cissy Strut」
ザ・ミーターズによるニューオーリンズファンクの、ねっとりとしたグルーヴと、力強いベースラインは、バリ神山の持つどっしりとしたボディと、舌に残る長い余韻に完璧に調和します。このリズムに乗って、軽快ながらも濃厚なコーヒーの味わいを最後まで楽しませてくれるでしょう。

バリ神山と音楽が紡ぐ、大地の力

バリ神山の持つ、力強いコクと温かい風味は、大地のエナジーと情熱を感じさせる音楽と心地よく響き合います。今回選んだ10曲は、バリ神山が持つ、飲む人に「力強さ」と「温かさ」をもたらす魅力を意識してみました。

ぜひ、今日丁寧に淹れたバリ神山コーヒーを片手に、このプレイリストを聴いてみてください。芳醇な香りが立ち上るカップから一口味わうごとに、音楽の力強い旋律があなたの五感を刺激し、日々の活力を与え、心地よい高揚感へとあなたを引き込んでくれるでしょう。

リトル・パウ:音楽が生活の中心にあるライター。日々の暮らしの中で、音楽をより豊かにしてくれる素敵なものとの出会いを大切にしています。コーヒー、ウイスキー、そして猫が好き。これらは私の創作活動に欠かせないインスピレーションの源です。心に響く音色とともに、皆さんの日常に彩りを添える情報をお届けできたら幸いです。

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