
こんにちは、リトル・パウです。「コーヒーと音楽」の連載コラム、第7回をお届けします。このコラムでは、毎回厳選したコーヒー銘柄をご紹介し、その味わいや背景に寄り添う音楽を10曲選んでいます。コーヒーを淹れ、音楽に耳を傾けるひとときが、皆様の日常にささやかな彩りを与えることができれば幸いです。
今回、私が選んだのは、その上質な酸味と甘み、バランスの取れた味わいで世界中の人々から愛されるコロンビア スプレモです。
コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位のコーヒー生産国であり、その中でも特に高品質な豆は「スプレモ(Supremo)」と格付けされます。これは、スクリーンサイズ17以上の大粒豆を指すグレードで、優れた味と香りが特徴です。標高1,400m以上のアンデス山脈の斜面で、豊かな日差しと降水量、そして肥沃な火山性土壌に恵まれて育つコロンビアのコーヒーは、一粒一粒に上質な風味が凝縮されています。
コロンビア スプレモは、主に水洗式で精製されます。この丁寧な工程が、豆本来のクリアな味わいを引き出し、バランスの取れた風味を際立たせます。
カップに注ぐと、キャラメルやチョコレートのような甘く香ばしいアロマが穏やかに立ち上ります。口に含むと、マイルドで口当たりの良いコクが広がり、その後に続くのは、アプリコットやプラムを思わせるような、心地よい酸味です。苦味は控えめで、全体として非常にクリーンで飲みやすく、後味にはほのかな甘みが長く続きます。朝食と共に、あるいは午後のブレイクに、どのようなシーンにもしっくりと馴染む、万能なコーヒーです。
コロンビア スプレモに調和する10の音楽
コロンビア スプレモの持つ、マイルドなコク、上質な酸味、そしてバランスの取れた優雅さにインスパイアされた10曲を選びました。心を穏やかにするようなメロディ、そして洗練された音色が、コロンビア スプレモの持つ多層的な魅力をより一層引き立ててくれるはずです。
Steely Dan「Rikki Don’t Lose That Number」
都会的なサウンドに身を委ね、コーヒーの穏やかなコクに浸るひととき。スティーリー・ダンの洗練されたコード進行と複雑ながらもスムーズなメロディは、コロンビア スプレモのバランスの良さと響き合います。まるで上質なラウンジで過ごしているようです。
Sade「Smooth Operator」
目を閉じれば、甘く柔らかな香りが漂う一杯と、彼女の歌声が、あなたの心を温かく包み込んでくれるでしょう。シャーデーのクールでソウルフルな歌声は、コロンビア スプレモの持つ滑らかな口当たりそのものです。
Astrud Gilberto「Agua de Beber」
まるでコロンビアの風が吹くテラスで飲んでいるような、爽やかな気分にさせてくれる一曲。アストラッド・ジルベルトの透明感あふれる歌声と軽快なボサノヴァのリズムは、コーヒーの持つクリーンな酸味と、ゆったりとした時間を楽しむ優雅さと共鳴します。
Chet Baker「My Funny Valentine」
コーヒーの奥に潜む、繊細で複雑な風味をそっと引き出してくれる。チェット・ベイカーの憂いを帯びたトランペットの音色は、感傷的な響きでコーヒーの穏やかな味わいをより深く、心に染み渡らせてくれるはずです。
Corinne Bailey Rae「Like a Star」
心にぽっと灯りがともるような、温かい気分にさせてくれる組み合わせ。コリーヌ・ベイリー・レイの優しい歌声と、柔らかなアコースティックサウンドは、コロンビア スプレモの持つキャラメルのような甘い香りと、心を満たすような満足感と調和します。
Jamie Cullum「All At Sea」
少し気分転換をしたい午後に、この曲と一杯のコロンビア スプレモがあれば、自然と心が弾むでしょう。ジェイミー・カラムの軽快でスインギーなジャズは、コーヒーの心地よい余韻と、日々のリズムを刻むような軽やかさで重なります。
Kings of Convenience「I’d Rather Dance With You」
まるで映画のワンシーンのように、コーヒーと音楽が織りなす特別なひとときを演出してくれる。キングス・オブ・コンビニエンスのロマンチックなサウンドは、コロンビア スプレモの気品ある味わいをより一層引き立てます。
The xx「Intro」
静かに流れる音と、透明感のある味わいが、思考を研ぎ澄ませてくれるでしょう。The xxのミニマルでクールなサウンドは、コロンビア スプレモの持つクリーンな口当たりと、洗練されたアロマを表現しているかのようです。
Joni Mitchell「A Case of You」
まるで昔の友人と語り合うように、コーヒーが持つさまざまな表情を紐解いてくれる。ジョニ・ミッチェルの深く心に響く歌声は、コロンビア スプレモの持つ滑らかなコクと、クリーンな味わいと調和します。
Buena Vista Social Club「Chan Chan」
コーヒーの香りと共に、遠い異国への旅へと誘ってくれるかのようです。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの陽気で温かいサウンドは、コロンビア スプレモの持つラテンアメリカの空気感と、穏やかで心地よい雰囲気を一層引き立てます。
コロンビア スプレモと音楽が奏でる優雅なひととき
コロンビア スプレモの、上質なコクと酸味、そして完璧なバランスは、ジャズやボサノヴァといった洗練された音楽と心地よく響き合います。今回選んだ10曲は、コロンビア スプレモの持つ優雅さ、そして心に安らぎを与える要素を意識してみました。
ぜひ、今日丁寧に淹れたコロンビア スプレモを片手に、このプレイリストを聴いてみてください。キャラメルのような甘い香りと、優しく広がる酸味、そして音楽の穏やかな旋律があなたの五感を優しく包み込み、日々の喧騒から離れ、心地よい調和に満ちた時間へとあなたを引き込んでくれるでしょう。

リトル・パウ:音楽が生活の中心にあるライター。日々の暮らしの中で、音楽をより豊かにしてくれる素敵なものとの出会いを大切にしています。コーヒー、ウイスキー、そして猫が好き。これらは私の創作活動に欠かせないインスピレーションの源です。心に響く音色とともに、皆さんの日常に彩りを添える情報をお届けできたら幸いです。