惜別のダンス、記憶の舞台 ── ピナ・バウシュ最晩年作『Sweet Mambo』、ついに今秋日本初上演

20世紀の舞台芸術を根底から変えたドイツの振付家、ピナ・バウシュ。彼女の死の前年に制作され、その遺志を深く宿す最晩年の作品『Sweet Mambo』が、2025年秋、日本初上演を迎える。会場は彩の国さいたま芸術劇場。チケットは7月12日より一般発売される。

タンツテアター(舞踊演劇)という独自の手法で知られるピナ・バウシュは、感情の奥底にある痛みや喜び、喪失、誘惑といったテーマを、言葉と身体の両方を使って描き続けた。2008年にドイツ・ヴッパタールで初演された『Sweet Mambo』は、まさにその集大成とも言える作品であり、彼女が「愛する人々への惜別の歌」として生んだ傑作である。

今回の来日公演では、初演当時からピナと共に歩んできたダンサーたちが再び集結。長い年月を経て深みを増した彼らの身体表現が、作品に新たな息吹を吹き込む。演出には、ピナ没後に舞踊団へ新作を提供したアラン・ルシアン・オイエンがアーティスティック・ディレクターとして参加。彼は再演にあたり、ピナがかつてダンサーたちに投げかけた問いを、再び彼らに向けたという。そうして生まれた新たな『Sweet Mambo』は、記憶と現在が交差する舞台として観客を深く揺さぶるだろう。

Pina Bausch (C)Wilfried Kruger

ガーディアン紙が「ピナはもはやここにいない。にもかかわらず、ダンサーたちの目、声、心の中に彼女は存在している」と評したこの舞台は、人生の不条理、人とのつながり、そして「忘れないで」という静かな祈りを、観る者の胸に刻む。

公演は全4回、11月27日(木)から30日(日)まで。上演時間は約2時間20分(休憩20分含む)。S席12,000円をはじめ、25歳以下を対象とした割引価格も用意されている。詳細は彩の国さいたま芸術劇場の公式サイトにて確認できる。

なお、本作は京都・ロームシアター京都でも11月21日・22日に上演される予定である。時を超えて甦るピナ・バウシュの“最期の声”を、ぜひその目で、耳で、全身で受け止めてほしい。

関連リンク:
公演詳細・チケット予約はこちら(彩の国さいたま芸術劇場)
ヴッパタール舞踊団 公式情報(ロームシアター京都公演)

お問い合わせ:
公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
TEL:0570-064-939(10:00~18:00、劇場休館日を除く)

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