スミソニアン協会×NASA元主任歴史家──最新宇宙図鑑『スミソニアン 宇宙大図鑑』がついに日本上陸

ビッグバンから火星移住の未来まで ── 宇宙をめぐる壮大な旅を、一冊で体感できる決定版が登場した。河出書房新社より2025年6月18日に刊行された『スミソニアン 宇宙大図鑑』は、世界最大級の博物館群であるスミソニアン協会の全面協力のもと、NASA元主任歴史家ロジャー・D・ラウニウスによって執筆された本格ビジュアル図鑑である。

本書の原著『Smithsonian Atlas of Space』は、2024年に英国のクアルト社から刊行され、アメリカ図書館協会による名誉あるダートマス賞を受賞した。日本語版となる本書は、総ページ数400、B4変型の大型判にして、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)や探査衛星がとらえた最新宇宙画像600点を収録。まさに“見る宇宙学”としての圧倒的な迫力を誇る。

宇宙の全貌を、現在から未来まで

構成は、「私たちの宇宙」「銀河系と恒星の進化」「太陽系外縁の宇宙」「私たちの身近な世界」「未来へ向けて」の全5章。現在の天文学の到達点から、アルテミス計画や火星移住構想といった近未来の展望にまで視野を広げており、天文ファンから研究者、そして初学者に至るまで、誰もが“知的好奇心”という名のロケットに乗り込むことができる構成となっている。

また、本書はビジュアルのみならず、宇宙理論や観測技術の進化、さらには宇宙探査の歴史と未来を横断的に解説する構成で、まさに読み物としても秀逸。アインシュタインの相対性理論やビッグバンの発展史から、JWSTの高精細画像、さらにはJAXAによる国際的貢献まで、多角的かつグローバルな視座で宇宙が語られている。

「知ること」は、宇宙への最初の一歩

推薦文を寄せた天文学者・渡部潤一(国立天文台上席教授)は、本書を「古代から現代まで、人類の宇宙観の壮大な変遷が、最新の美しいビジュアルとともに、読者をその深淵へと間違いなく誘う」と評する。図鑑という体裁ながら、知的ドラマとしての宇宙史を伝える一冊であり、「知ること」そのものが宇宙への第一歩であるという本質をあらためて感じさせてくれる。

図版は、写真360点、図版140点、図解100点の合計600点。JWSTをはじめ、ハッブル望遠鏡や数々の探査衛星から届いた“宇宙からのまなざし”が詰め込まれている。天の川銀河の外に広がる何百億という銀河、未知の太陽系外惑星、そして未だ見ぬ生命──本書を開けば、私たちが住むこの宇宙の「現在地」が、くっきりと浮かび上がる。

人類が宇宙に挑んできた理由

著者ラウニウスは、本書の序章でこう語っている。「20世紀まで、私たちは銀河がひとつしか存在しないとすら思っていた。それが今では、私たちの宇宙は膨張し、無数の銀河とブラックホール、生命の可能性を内包していることが明らかになってきたのだ」。宇宙はただの天体の集合ではない。人類の好奇心と想像力、そして科学的営みの結晶である。

科学者たちが追い求めてきた“その先”には、混乱も驚きもあった。それでもなお人類は、宇宙を目指す。その歴史の蓄積と、未来への跳躍を本書は見事に描き出す。今、私たちがこの惑星から空を見上げるとき、その背後にある知と努力の積み重ねを、ぜひ『スミソニアン 宇宙大図鑑』を通じて体感してほしい。

書籍情報

タイトル: スミソニアン 宇宙大図鑑
著者: ロジャー・D・ラウニウス
翻訳: 河出書房新社編集部
発行: 河出書房新社
発売日: 2025年6月18日
仕様: B4変型判/400ページ/オールカラー
定価: 未定

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