Daphni『Butterfly』がさらに巨大化 ── 新曲&リミックス13曲を加えた拡張版、9月25日リリース

©︎Fabrice Bourgelle

CaribouことDan Snaithによるクラブ・ミュージック・プロジェクト、Daphniが、最新アルバム『Butterfly』の拡張版『Butterfly (Expanded Edition)』を9月25日にリリースする。オリジナル版の16曲に、新曲7曲やKelbin、Aasthma、Peder Mannerfelt、BRUXによるリミックスなど13曲を追加。全29曲という大ボリュームで、『Butterfly』の世界をさらにダンスフロアの奥へと押し広げる。

リリースに先駆け、「Sad Piano House (Kelbin Remix)」も公開されている。

『Butterfly』の“その先”を収めた13曲

2026年2月に発表された『Butterfly』は、2022年の『Cherry』以来となるDaphni名義のアルバム。Caribouとして培ってきた精緻な音楽性と、Daphniならではのフロア直結型の衝動が交差する作品として、2026年のPolaris Music Prize Album Long Listにも選出された。

今回のExpanded Editionには、本編16曲に加えて13曲を収録。そのうち7曲はDaphniの新曲で、「hav u a sec」「Forward」「Staircase」「Tapir」「Tally」「Syntom」、そしてフォーカス・トラックとなる「Catch 23」が加わる。

さらに「Sad Piano House」「Good Night Baby」「Hang」を素材にした4組のリミックス、「Sad Piano House」のExtended MixとBeatless Mixも収録される。

単なるボーナストラック集というより、『Butterfly』制作後も続いていたSnaithの創作を接続し、アルバムの射程そのものを拡張した作品と捉えるべきだろう。

アルバム完成後も、Daphniの音楽は生まれ続けていた

Snaithによれば、『Butterfly』の最終マスターを仕上げている最中にも、DJセットでプレイするための楽曲を作り続けていたという。

それらのトラックは彼自身にとって『Butterfly』と同じ世界に存在し、同じ流れを持つ音楽だった。そのため、今回のExpanded Editionへ収録することは「とても自然なことだった」と語っている。

このエピソードは、Daphniというプロジェクトの性格を端的に物語っている。完成されたアルバムを起点にツアーへ向かうというより、DJとしてフロアに立ち、そこで必要になる音を作り、その音がまた次の制作へとフィードバックされていく。Daphniにとってスタジオとクラブは、ほとんどひと続きなのだ。

KelbinからPeder Mannerfeltまで ── “人間関係”から生まれたリミックス

Expanded Editionをさらに興味深いものにしているのが、リミキサー陣だ。

先行公開された「Sad Piano House (Kelbin Remix)」を手がけるKelbinは、前作『Cherry』収録曲「Cloudy」のリミックスも担当しており、今回はその姉妹編ともいえる関係にある。

Peder Mannerfeltとの交流は、SnaithがBandcampで彼の作品を数多く購入していたことをきっかけにスタート。そこからPeder Mannerfelt、そしてAasthmaによるリミックスへと発展した。

BRUXとの縁も面白い。ニューヨークで共演したFred again..の公演で再会した際、実は約10年前にオーストラリアですでに出会っていたことが判明。それをきっかけに今回のコラボレーションへとつながったという。

Snaithにとってリミックスは、単純に話題のアーティストへ依頼するものではない。自身がその音楽を尊敬し、なおかつ相手との間に自然な個人的つながりが存在するときに初めて成立するものだという。その姿勢が、今回のリミックス群にも色濃く反映されている。

Daphniは、いまも“自分がDJでかけたい音楽”である

CaribouとDaphni。同じDan Snaithから生まれながら、後者には一貫してダンスフロアとの直接的な関係がある。

Daphniの音楽についてSnaithは、今でも「基本的には自分のDJセットでかけるために作っている」と説明する。Expanded Editionに収録された楽曲の多くも実際にセットでプレイしている一方、テンポが遅かったり、奇妙すぎたりして、普段はあまり使わない楽曲も存在するという。

ただし、それも「正しいクラブ」であればプレイするかもしれない。

この感覚こそ、Daphniの面白さなのだろう。フロアで機能することを大前提としながら、その“機能”の意味を決して狭く定義しない。ハウス、テクノ、アフロビート、サンプル・ミュージック、そして分類しづらい奇妙な音までを飲み込みながら、DJという行為そのものを制作へ変換していく。

「Sad Piano House」の世界もさらに拡張

Expanded Editionに先駆けて公開された「Sad Piano House (Kelbin Remix)」に加え、9月18日には限定12インチ『Kelbin Remixes』もリリースされる。

同作には「Sad Piano House」のKelbin Remixと、2022年の『Cherry』に収録された「Cloudy」のKelbin Remixをカップリング。DaphniとKelbinによる継続的な関係を、ひとつのレコードとしてまとめた作品となる。

『Butterfly (Expanded Edition)』は9月25日リリース。新曲、リミックス、エクステンデッド、ビートレスという複数の視点から29曲へと膨らんだ『Butterfly』は、“完成後も変化し続けるアルバム”というDaphniらしい姿で再び姿を現す。

Daphni『Butterfly (Expanded Edition)』

2026年9月25日リリース
Label:PLANCHA / Jiaolong
Format:Digital Album

Tracklist

  1. Sad Piano House
  2. Clap Your Hands
  3. Hang
  4. Lucky
  5. Waiting So Long
  6. Napoleon’s Rock
  7. Good Night Baby
  8. Talk To Me
  9. Two Maps
  10. Josephine
  11. Miles Smiles
  12. Goldie
  13. Caterpillar
  14. Shifty
  15. Invention
  16. Eleven
  17. hav u a sec
  18. Forward
  19. Staircase
  20. Tapir
  21. Tally
  22. Syntom
  23. Catch 23
  24. Sad Piano House (Kelbin Remix)
  25. Good Night Baby (Aasthma Remix)
  26. Hang (Peder Mannerfelt Remix)
  27. Good Night Baby (BRUX Remix)
  28. Sad Piano House (Extended Mix)
  29. Sad Piano House (Beatless Mix)

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