声を失った男が、古いテープから見つけた奇跡 ── Oddball Creatives「Wondering & Wishing Like Me」、エジンバラからフィラデルフィアへ続く魂の旅

ステージ4の肺疾患と診断され、声帯を失ったシンガー、Joseph Malikはある日、Young Fathersのスタジオで録音した古いボーカルテイクを引き出しの奥から見つけた。それを共同プロデューサーのDaniel Wallsに持ち込んだことから、エジンバラ、ヘイスティングス、ベルリン、フィラデルフィアをまたぐ数ヶ月に及ぶ制作の旅が始まった。その果てに生まれたのが「Wondering & Wishing Like Me」 ── 9月4日、Echo Labsよりヴァイナルでリリースされる。

MoWaxからCompostへ、30年のソウルが一枚に凝縮される

Joseph Malikの名は、1994年のMoWax Records作品にまで遡る。Craig CharlesにBBC6 Musicの年間ベスト・アルバムを、Gilles Petersonに月間ベスト・アルバムを、Jools Hollandにベスト・ニューカマーを称賛されたキャリアは、単なる経歴ではなくUKソウルの生きた歴史そのものだ。2023年にはDaniel Wallsとの共同制作による「Proxima Ebony」をリリース。その流れで生まれたのがOddball Creatives ── 二人の創造的パートナーシップだ。

Digital Liquidとして生きた楽器と電子音楽を融合させてきたエジンバラのミュージシャン、Daniel Walls。JosephがGlasgowのSub Clubで過ごした時代を思い起こさせるその音楽的感性が、二人を引き合わせた。

スコットランドのジャズ・トランペットとフィラデルフィアの声が交差する

「Wondering & Wishing Like Me」はソウル、ヒップホップ、ジャズが溶け合うNative Tonguesの精神を現代に刻む一曲だ。JosephとKameela Waheedのボーカルはまるで「さやの中の豆のように」ぴったりと寄り添い、ソウルフルなメロディと印象的なスポークンワードが交差する。

ボーカルのKameela WaheedはPhiladelphia International RecordsのBunny Siglerに才能を見出され、「Holding On」「America the Beautiful」でその名を広め、Honey Dijon(Defected)やWade Teo(Nervous)ともコラボレーションしてきた実力者。トランペットのColin Steeleはスコットランド屈指のジャズ・ミュージシャンであり、Joseph Malikとは伝説的クラブMidnight Blueを共同設立した旧知の間柄だ。ACTおよびMarina Recordsへのリリースで複数のUKジャズ賞を受賞している。Darren MorrisのHammondとWurlitzer、ENIAによるバッキング・ボーカルが加わり、これ以上ないほど豊かな音像が完成した。

声を失ってもなお、音楽はJoseph Malikの中で生き続けていた。そしてその古いテープに残された声が、大西洋を挟んだ複数の都市を経由して、一枚のヴァイナルになった。

Oddball Creatives ft. Kameela Waheed & Colin Steele「Wondering & Wishing Like Me」
Echo Labs / ECL-006
2026年9月4日ヴァイナル・リリース(ヴォーカル版+インストゥルメンタル版収録)

https://www.instagram.com/malikmarvel71/
https://www.instagram.com/kameelahwaheed/
https://www.instagram.com/daniel.walls.169/
https://www.instagram.com/colinsteeletrumpet/

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