DJミックスに、ついに「聴くべき場所」ができた ── Resident AdvisorとApple Musicが歴史的タッグを組む

Frankie KnucklesのRA.1000が、Apple Musicで聴ける。その一文だけで、このニュースの意味がわかる人はわかるはずだ。電子音楽シーンにおいて最も権威あるDJミックスシリーズのひとつとして長年君臨してきたResident AdvisorのRAミックス・カタログが、Apple Musicに本格上陸する。第一弾は4月30日にすでに公開されており、全カタログの段階的な移行が始まった。

伝説の「RA.1000」シリーズが、ストリーミングの海に漕ぎ出す

最初の波として公開されたラインナップを見れば、その射程の広さがわかる。シカゴ・ハウスの祖Frankie Knuckles、ベルファスト発のダンスミュージック・デュオBicep、パレスチナのDJ界の旗手Sama’ Abdulhadi、ダブ&テクノのレジェンドMark Ernestus、フットワークシーンのDJ Spinn & DJ Manny、ロンドン・ジャングルの継承者Tim Reaper、UKベースとブラック・ミュージックを橋渡しするJyoty ── RA.1000シリーズという節目の企画で記録されたこれらの名演が、今やApple Musicという世界規模のプラットフォームで誰でもアクセスできるようになった。

さらにRoza Terenzi、Ash Lauryn、DJ Tobzy、Kampireといった近年の注目ミックスも第一弾に含まれており、クラブカルチャーの多様性と現在地をそのまま映し出すラインナップになっている。

DJミックスが「散らばった存在」であることへの、解答

DJミックスという文化は長らく、プラットフォームを渡り歩く漂流物だった。著作権処理の困難さ、マネタイズの難しさ、一時的なホスティング ── そのすべてが、この文化を不安定な立場に置き続けてきた。Apple Musicが提供するのは、高音質・適切な権利処理・権利者への報酬という三拍子が揃った「ちゃんとした家」だ。

Apple Musicにはすでに、Mixmag、DJ Mag、CRACK Magazineといった編集メディアから、fabric、Space、The Warehouse Projectといった殿堂クラブ、さらにDJ-Kicks、Cercle、Boiler RoomといったシリーズのDJミックスが集積している。そこにRAの全カタログが加わることで、ストリーミング時代のクラブカルチャーのアーカイブとして、Apple Musicの地位はさらに確固たるものになる。

RAのアーカイブはアーティストのキャリアの転換点を記録し、グローバルなクラブカルチャーの進化を追ってきた歴史的な文書だ。それが散逸することなく、一箇所で、正当な形で聴けるようになる ── これはDJミックスという文化にとって、小さくない前進だ。

RAミックスをApple Musicで聴く

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!