
モーターカルチャーの美学と日本的クラフトマンシップが交差するギターライン「REVSTAR」。その系譜に、新たな決定打が加わった。ヤマハが発表したのは、世界的ギタリストクリス・バックとの共同開発によるシグネチャーモデル『RS02CB』。ステージで磨かれた“あの音”を、量産機としてどこまで再現できるのか ── その問いに真正面から挑んだ一本だ。
カフェレーサーの精神を受け継ぐREVSTARの現在地
「REVSTAR」シリーズは、ロンドン発のカフェレーサーカルチャーに着想を得て2015年に誕生。無駄を削ぎ落とし、本質だけを研ぎ澄ます思想は、音にもデザインにも一貫している。
2022年のアップデートで現代的なプレイフィールへと進化した同シリーズにおいて、クリス・バックは象徴的な存在だ。しなやかでソウルフルなタッチは、REVSTARのポテンシャルを体現してきた。

“低出力”が導く表現力 ── P90カスタムの核心
『RS02CB』の心臓部には、クリス・バックと共同設計されたP90スタイル・ピックアップを搭載。あえて出力を抑えた設計により、繊細なタッチへの追従性と、ドライブ時の開放感を両立している。
クリーンでは空気を含んだようなアコースティックな響き、歪ませれば一気に前に出るダイナミクス。ピッキングのニュアンスがそのまま音像に反映される設計は、“弾き手ありき”の楽器思想を強く感じさせる。
響きを設計する ── チェンバー構造とネックの安定性
ヤマハ独自の音響設計思想「アコースティック・デザイン」に基づき、ボディはチェンバー加工を採用。軽量化と豊かな鳴りを同時に実現している。
さらにカーボン補強ネックにより、ツアーレベルの環境でも安定した演奏性を確保。単なるヴィンテージ志向ではなく、現代のステージに耐えうる実用性が徹底されている。


ダイレクトな振動を生むラップアラウンド・ブリッジ
ブリッジには、クリスのカスタム機から継承されたラップアラウンド方式を採用。弦振動をダイレクトにボディへ伝えることで、レスポンスとサスティンに独特の“有機的な揺らぎ”をもたらす。
この構造が生むのは、スペックでは測れない“鳴りの気配”だ。
ステージを共にした一本をそのままに
ハニーゴールドのボディカラー、アンバーノブ、ポジションマーク、そしてヘッド裏のサイン。細部に至るまで、クリス・バック本人のカスタムモデルを忠実に再現している。
それは単なるシグネチャーではなく、“旅してきたギター”の記憶をトレースする試みでもある。


ギターという表現装置の再定義
『RS02CB』は、単にアーティストモデルという枠に収まらない。
プレイヤーのタッチ、空間、そして音楽そのものとの関係性を再定義するプロダクトだ。
ヤマハとクリス・バックが共有したのは、「音は手から生まれる」というシンプルで本質的な哲学。その思想は、この一本に確かに宿っている。

https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/guitars_basses/el_guitars/rs02cb/index.html
