ロンドン発、記憶と快楽の狭間で踊る──ヤズミナ『Amnesia EP』が描くアンダーグラウンドの新境地

2025年10月28日

イビサの幻影を音にした、リアルな“Amnesia”

モロッコ系イギリス人プロデューサー／DJ、ヤズミナが、ユーセフ率いる名門Circus Recordingsから新作EP『Amnesia』をリリースする（2025年11月21日配信開始）。タイトル曲「Amnesia」は、イビサの伝説的クラブから着想を得たディープかつジャッキンなハウストラック。スモーキーな低音と弾けるコードスタブ、そしてコントラストの効いたブレイクが緊張と恍惚の狭間を描き出す。ヴォーカルには、ポエティックな語りで知られるラッキー・サムライが参加し、そのスピリチュアルな語り口がグルーヴの奥行きをさらに深めている。

“Feel the Bongo”──遊び心とリズムの解放

2曲目「Flangé Bongo」は、タイトル通りボンゴのサンプリングを大胆に加工したエネルギッシュなハウス・ジャムである。軽快なパーカッションとファンキーなヴォーカルフックが、深夜のダンスフロアを一瞬で熱狂へと導く。グルーヴと実験精神を両立させたトラックメイクは、ヤズミナの個性そのものといえる。

アンダーグラウンドから未来を鳴らす新鋭

ロンドン東部を拠点とするヤズミナは、DJだけでなくSelect Radioのホストとしても活動中。Point Blank Music Schoolで本格的に制作を学んだ後、Deep HouseとTech Houseを架橋する独自のサウンドを確立した。ジェイミー・ジョーンズやペギー・グー、アミン・エッジ & ダンスらもサポートするなど、その存在感は急速に拡大している。これまでにHottrax、Nervous Records、Glasgow Undergroundなど名門レーベルからリリースを重ね、今作がその勢いを決定づける一枚となるだろう。