妄想コラム– tag –
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[妄想コラム]もしこの世にリズムがなかったら ── 音楽シーンはこうなっていたかもしれない
音楽にリズムがなかったら? そんなこと、考えたことがあるだろうか。リズム、それは音楽の脈であり、心臓である。耳に聴こえる鼓動、体を揺らすビート、無意識に足を動かす力 ── それらすべてはリズムの魔法だ。だがもし、この世界にリズムという概念が... -
[妄想コラム]映像がなければ音楽はどう変わったか ── “MTV不在の音楽史”を妄想する
1981年、アメリカで産声を上げたMTV(Music Television)は、音楽に映像という魔法をかけた。以来、音楽は「聴くもの」から「観るもの」へと変貌を遂げていく。だが、もしこのメディアが存在しなかったとしたら、私たちの音楽体験はどのように変わっていた... -
[妄想コラム]メジャーもマイナーもない世界で、僕たちは何を聴くのだろう?
「明るい曲ですね」「この部分、マイナーで泣ける」 ── そんなふうに、僕たちはごく自然に音楽を“感情”で分類してきた。楽譜の上ではメジャー(長調)は陽気さや前向きさを、マイナー(短調)は切なさや内省を意味する。音楽を学び、聴き、作る人間にとっ... -
[妄想コラム]もし「イカ天」がなかったら ── バンドが市民権を得る前の日本音楽史を想像する
素人がテレビに出て、人生が変わった時代 1989年。深夜番組『三宅裕司のいかすバンド天国』、通称「イカ天」は、音楽とテレビ、そして素人の情熱が奇跡的に交錯した装置だった。番組のルールはシンプルで、アマチュアバンドが登場し、週ごとの勝ち抜き戦を... -
[妄想コラム]声なき時代に、人間は何を歌うのか?── すべてのボーカリストがボカロになった世界で、人間に残された「表現」のかたち
完璧な歌が溢れる世界 ボーカロイド技術の進化は、もはや「人間の声を真似る」段階を超え、「人間の声が本来持つ限界」を超克しつつある。息継ぎのノイズもなく、ピッチも正確で、エモーションすらパラメータで制御できる仮想の歌声。いつでも、どこでも、... -
[妄想コラム]1000年後の耳 ── 未来に遺る音楽とは何か?
音楽の“寿命”を問うということ 私たちが日々聴いている音楽 ── それは果たして、どれほど長く生きられるものなのだろうか。流行歌の多くは数か月で忘れ去られ、名作と呼ばれる楽曲ですら、せいぜい百年かそこらの命である。それでも、1000年というスパンで... -
[妄想コラム]もしDTMがなかったなら ── 音楽は誰のものになっていただろう?
自室から始まる音楽が、この世界に与えた革命 楽器が弾けなくても、バンドを組まなくても、レコード会社に拾われなくても、人は音楽をつくれる ── そう教えてくれたのは、パソコンだった。机の上に広がるデジタルの世界で、誰もが自分のスタジオを持ち、誰... -
[妄想コラム]もし奴隷貿易がなかったら、ブルースは生まれなかったのか?
ブルースの源流にあるもの 私たちが知っているポピュラー音楽の多くは、一本の川のように、ひとつの源流から枝分かれしている。R&B、ロックンロール、ヒップホップ、そしてジャズ。これらのジャンルを遡っていくと、必ずといっていいほど、あるひとつ... -
[妄想コラム]禁音法時代、音楽好きたちは地下に潜る
もし今、突如「禁酒法」ならぬ「禁音法」が発令されたら? 理由はさまざまだ。「騒音による社会秩序の乱れを防ぐため」だとか、「静寂を尊重する文化を守るため」だとか。けれど、そんな理屈はどうでもいい。ただひとつ、音楽を愛する者たちにとっては、... -
[妄想コラム]針を落とさなかった世界 ── DJなき音楽史の妄想地図
音楽をつなぐ人がいなかった世界。それは、今と似て非なる、奇妙にねじれた音楽シーンを生み出していたかもしれない。 夜をつなぐ者がいなかったなら DJとは、ひとつの曲から次の曲へと、夜を「つなぐ」存在である。もしもその文化が存在しなかったら? ...