妄想コラム– tag –
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[妄想コラム]もしDTMがなかったなら ── 音楽は誰のものになっていただろう?
自室から始まる音楽が、この世界に与えた革命 楽器が弾けなくても、バンドを組まなくても、レコード会社に拾われなくても、人は音楽をつくれる ── そう教えてくれたのは、パソコンだった。机の上に広がるデジタルの世界で、誰もが自分のスタジオを持ち、誰... -
[妄想コラム]もし奴隷貿易がなかったら、ブルースは生まれなかったのか?
ブルースの源流にあるもの 私たちが知っているポピュラー音楽の多くは、一本の川のように、ひとつの源流から枝分かれしている。R&B、ロックンロール、ヒップホップ、そしてジャズ。これらのジャンルを遡っていくと、必ずといっていいほど、あるひとつ... -
[妄想コラム]禁音法時代、音楽好きたちは地下に潜る
もし今、突如「禁酒法」ならぬ「禁音法」が発令されたら? 理由はさまざまだ。「騒音による社会秩序の乱れを防ぐため」だとか、「静寂を尊重する文化を守るため」だとか。けれど、そんな理屈はどうでもいい。ただひとつ、音楽を愛する者たちにとっては、... -
[妄想コラム]針を落とさなかった世界 ── DJなき音楽史の妄想地図
音楽をつなぐ人がいなかった世界。それは、今と似て非なる、奇妙にねじれた音楽シーンを生み出していたかもしれない。 夜をつなぐ者がいなかったなら DJとは、ひとつの曲から次の曲へと、夜を「つなぐ」存在である。もしもその文化が存在しなかったら? ... -
[妄想コラム]もしSpotifyがなかったら、音楽はどうなっていた?
音楽の聴き方は、ここ20年で劇的に変化した。とりわけSpotifyが2008年にスウェーデンで誕生して以降、その影響は音楽業界だけでなく、リスナーの耳、身体感覚、さらにはアーティストの創作プロセスにまで及んでいる。では、もしSpotifyという存在がこの世... -
[妄想コラム]電気なき音楽の宇宙 ── もしも音がコードを持たなかったなら
序章:電気がない世界で、音楽はどう鳴るのか? もしも電気という概念が存在しなかったら、音楽はどのように形成され、発展していったのだろうか? 録音も再生も、増幅も合成も存在しない世界。その静寂の中で、人間はどのようにして音楽を紡ぎ、共有し、... -
[妄想コラム]もしヒットチャートがすべてAIのものになったら ── 人間の音楽はどこへ向かうのか?
AIの進化によって、音楽制作の現場は大きく変わりつつある。作詞、作曲、編曲、ボーカル生成、さらにはミキシングやマーケティングまで、自動化が可能な領域は広がり続けている。現時点でも、AIによって制作された楽曲がチャートに登場することは珍しくな... -
[妄想コラム]100年後のライブハウス ── 音が響く場所は、まだ“ハコ”なのか?
序章 ライブハウスはどこへ向かうのか ライブハウスとは何か ── その定義は、時代とともに変容してきた。20世紀末から21世紀初頭にかけて、ライブハウスは音楽の「現場」であり、身体と言葉と音が交差する熱量の空間だった。だが、パンデミック以降の世界... -
[妄想コラム]音の記憶なき世界で ── もしサンプリングが存在しなかったら
「引用」がない音楽は、果たして可能か? サンプリングとは、音楽の一部を切り取り、再構築し、新たな文脈で響かせる行為である。その起源はアカデミックな電子音楽やダブのスタジオ実験にまで遡るが、とりわけ1980年代以降のヒップホップやエレクトロニッ... -
[妄想コラム]もし1960年代に7弦ギターが存在したら ── ジミ・ヘンドリックスが開いたもうひとつの地平
「もしジミ・ヘンドリックスが7弦ギターを手にしていたら」。 そんな仮定は、音楽好きにとっては想像力を刺激する問いかけである。1960年代末、サイケデリック・ロックとブルース、ソウル、ファンク、ジャズが渾然一体となって生まれた音楽の奔流のなかで...