[レポート]薩摩琵琶とギターのライブからマンガ・ダルマ・ギャル体験まで──多彩なカルチャーが集う「CRAZY ESCAPE NIGHT Vol.1」@SHIBUYA XXI

2025年7月14日、SHIBUYA XXIで開催された「CRAZY ESCAPE NIGHT Vol.1」。
音楽・アート・日本文化が交差する、ライブと体験を通して“発見”を楽しむ新感覚のカルチャーナイトとなった。

ライブ演奏と文化ワークショップが並行して行われる形式で、空間全体が多様な創造力で満たされていた。海外からの参加者も多く、会場はインターナショナルな熱気に包まれていた。

マンガ、ダルマ、琵琶──“触れて学ぶ”カルチャーワークショップ

会場内では日本文化を体験できる無料アクティビティを複数展開。どれも参加者の熱が高く、にぎわいを見せていた。

「マンガアート体験」

誰もが見慣れた“完成された絵”ではなく、インクにGペンを使った線画の下描きといった、マンガ制作の裏側ともいえる工程に実際に手を動かして取り組む内容。描くというより“プロセスを知る”ことに重きが置かれ、参加者たちは集中した表情でペンを走らせていた。

ダルマ制作体験

「ダルマ制作体験」では、和紙でできた素地のダルマに筆やペンを使って自由にペイントすることができた。定番の赤に限らず、鮮やかなブルーやパステルカラーなど、参加者それぞれが思い思いの配色で仕上げていく様子が印象的だった。“完成されたものを受け取る”のではなく、“手を加えて自分だけのかたちに変えていく”ことを楽しむ場として機能しており、できあがったダルマを手に記念撮影をする人の姿も目立った。こうしたビジュアルの映えも含めて、イベント全体の賑わいを支えるコンテンツのひとつとなっていた。

リアルギャルとクラフトおにぎり、現代の“東京らしさ”が凝縮

会場の一角には“リアルギャル”と直接話せる交流コーナーが用意されていた。平成カルチャーやルーズソックスを経てアップデートされ続けてきたギャルという存在を、単なるファッションアイコンではなく、ライフスタイルや価値観を持ったリアルな存在として体感できるこの企画は、海外からの参加者を中心に強い関心を集めていた。見た目のインパクトだけでなく、彼女たちの言葉やふるまいを通じて、日本の、そして東京の文化に触れる機会になっていたのは間違いない。

そのすぐ隣では、産地や素材にこだわった手づくりのおにぎりが並び、来場者の空腹をしっかりと満たしていた。海苔の香りや炊きたてごはんの温もりが感じられる、いわば“クラフトおにぎり”。ただの軽食ではなく、日本の食文化の繊細さや豊かさを体感できる要素として機能していた。

薩摩琵琶×ギター、ジャンルを越えた音の対話

メインステージでは、薩摩琵琶とエレキギターによるライブパフォーマンス。
伝統と現代が響き合うサウンドは、静と動、和と洋、それぞれの美学が交錯する構成。
観客の集中力が一気に高まり、場の空気ごと引き込んでいくような演奏だった。

演奏後には「薩摩琵琶」の歴史や構造の説明を受けたあと、実際に楽器を手にして音を鳴らしてみるという流れ。音が出るまでにコツが要るぶん、参加者たちは慎重に構えながらも、その独特な響きが出た瞬間には思わず笑みを浮かべていた。演奏技術というより“音が鳴る体験”を通じて、日本の伝統楽器への理解が自然と深まる構成になっていた。

「CRAZY ESCAPE NIGHT Vol.1」は、日本文化の伝統とポップカルチャー、そして音楽体験を一晩で味わえる新しい試みだった。
観る・聴く・触れるすべての要素を網羅しながら、参加者一人ひとりに違った楽しみ方が用意されていた点が印象的。

Vol.2の開催にも期待が高まる。

イベント詳細はこちらから:https://crazyescape.net/

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