
こんにちは、リトル・パウです。今回紹介するのは、中米の小さな国エルサルバドルから届いた優しく知的なハチミツの調べ「パカス」です。
1949年、エルサルバドルのサンタ・アナ山麓にあるパカス家の農園で、ブルボン種の突然変異として発見されたのが、このパカス。背丈が低く、厳しい環境にも耐える強さを持ちながら、そのカップには驚くほど繊細な甘みが宿っています。
パカスの魅力は、「透き通ったハニー感」と「丸みのある質感」にあります。一口含めば、ブラウンシュガーやハチミツを溶かしたような、角のない柔らかな甘みが口いっぱいに広がります。後味には、アプリコットやプラムを思わせる控えめで上品な酸味が顔を出し、それが驚くほど長く、心地よく持続します。「主張しすぎないのに、忘れがたい」。そんな奥ゆかしい気品を感じさせる一杯です。
パカスの甘い旋律に響き合う10の音楽
この豆が持つ「ハチミツのような質感」と「洗練された構成美」に呼応する、10組のアーティストを選びました。現代のジャズポップから、緻密に編み込まれたインディーサウンドまで。カップの底に溜まった甘い余韻を引き立てるラインナップです。
Laufey「From The Start」
アイスランド出身、現代ジャズポップの申し子。彼女の奏でるクラシカルかつ瑞々しい歌声は、パカス種が持つ「時代に流されない気品ある甘み」と完璧に溶け合います。
Bruno Major「Easily」
ベルベットのように滑らかなシルキーボイス。その洗練されたコード感とメロウな響きは、このコーヒーの持つ「とろけるような口当たり」をより一層強調してくれます。
Eloise「Subside」
UKソウルシーンの至宝。彼女の親密で温かみのある歌唱は、ハニープロセスで精製されたパカスが持つ、じんわりと心に染み入るような甘いアロマに寄り添います。
Haim「Summer Girl」
三姉妹による軽やかなリズムとサックスの響き。中米の初夏の風を感じさせるようなこの楽曲は、パカスの持つ「明るいアプリコットのような酸味」をポップに引き立てます。
Burt Bacharach「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」
稀代のメロディメーカー。完璧に計算されたオーケストレーションと親しみやすさのバランスは、パカス種が持つ「黄金の調和」そのものを聴いているかのようです。
The Whitest Boy Alive「1517」
徹底的に削ぎ落とされたクリーンなサウンド。一切の雑味を許さない彼らのミニマリズムは、高品質なエルサルバドルの豆が持つ「驚くほど澄んだ後味」と共鳴します。
Faye Webster「Kingston」
スライドギターが揺れる、少し物憂げで甘い世界。彼女の音楽が持つ「心地よいまどろみ」は、コーヒーが喉を通った後の、長く豊かな甘い余韻を最大限に引き伸ばしてくれます。
Cautious Clay「Cold War」
温かみのあるプロダクションと、知的なボーカル。多才な彼が描く多層的なテクスチャーは、パカスの複雑なフレーバーの層を一つ一つ丁寧に解きほぐすような感覚を与えます。
Phoenix「Lisztomania」
フランスが生んだ、色彩豊かなインディーポップ。その煌びやかでタイトなグルーヴは、パカスの豆が持つ「弾けるようなフルーツの閃光」を鮮やかに演出します。
Badly Drawn Boy「The Shining」
素朴で手作り感のある、美しいフォークロック。チェロが響く優しい旋律は、農園主パカス家が代々大切に育ててきた、この豆の「歴史と温もり」を静かに祝福するかのようです。
カップに溶ける、知的な安らぎ
パカスが持つ「ハチミツの結晶」のような輝きは、緻密に編まれた音楽たちと響き合うことで、私たちの心を深い慈しみで満たしてくれます。完璧なバランス、けれど確かな甘み。そんな一杯を片手に、自分自身の感覚が研ぎ澄まされていく贅沢な時間を楽しんでみてください。

リトル・パウ:音楽が生活の中心にあるライター。日々の暮らしの中で、音楽をより豊かにしてくれる素敵なものとの出会いを大切にしています。コーヒー、ウイスキー、そして猫が好き。これらは私の創作活動に欠かせないインスピレーションの源です。心に響く音色とともに、皆さんの日常に彩りを添える情報をお届けできたら幸いです。







