アクロポリスで聴いたデュドゥクの音が、ついにトランスに宿った ── BiXX × Natalie Gioia「Armenian Rhapsody」誕生の物語

何年も前、アクロポリスでヤンニの「Prelude」をライヴで聴いた。その瞬間から、BiXXはアルメニアの伝統楽器デュドゥクをいつかトランスに組み込みたいと思い続けてきた。そしてNatalie Gioiaとの6度目のコラボレーションで、その夢が ── 当初の計画とはまったく異なる形で ── 実現した。「Armenian Rhapsody」が10月9日にNocturnal Knightsよりリリースされる。

デュドゥクの存在感が、制作の方向を変えた

最初の構想はシンプルだった。「Prelude」スタイルのブレイクダウンを軸に、デュドゥクの存在感を全面に打ち出すトラックを作ること。しかしデュドゥクとボーカルを同時に鳴らしてみると、あまりに強烈なその音色がGioiaの声と拮抗し、互いを打ち消し合ってしまった。

BiXXはデュドゥクを削除するのではなく、使い方を変えた。Gioiaのボーカル・パッセージのあいだに配置し、存在を和らげながらも確かに宿らせる。「トランスの素晴らしさは、あらゆる民族楽器の音色やコンセプトをブレイクダウンに持ち込み、楽曲をより独自でエピックなものにできることだ」 ── BiXXはそう語る。

Natalieが届けた「マスターピース」が、すべてを変えた

しかし制作の本当の転換点は、Natalieがブレイクダウンに手を加えてから始まった。オーケストラ・スペシャリストと協働しながら、Gioiaはオリジナルのブレイクダウン・コンセプトを自身の拡張作曲へと置き換えた。メロディとコード進行を開発し、ボーカルを書いてレコーディングし、さらにアルメニア語を独学してその言語で歌詞を書いた。

BiXXに届いたその音源は、彼が想定していたものの2倍以上の長さがあった ── 「ライヴでもプレイできないし、ほとんどのトランス・トラックやレーベルに対しても長すぎる」。しかしBiXXはネガティヴな思考モードを素早く切り替えた。「Natalieが自分自身であれるよう、この美しい傑作の周りを組み立てていこう」。

Natalie Gioia

ボヘミアン・ラプソディが与えたアイデア

このとき浮かんだのが「ボヘミアン・ラプソディ」だった。その異例の長さがラジオレコードとしての可能性に抵抗を生んだという周知の話が、BiXXの考えを変えた。長さを問題として扱うのではなく、アイデアの一部として扱う——だからこそ「ラプソディ」というコンセプトが生まれた。

「フリーフォームの音楽作品、対比するムードとメロディと感情の揺れ ── それがラプソディだ。元々ラプソディとは無関係の構想だったが、Natalieのパートを受け取った時点で、彼女の素晴らしい仕事を称えることが自分の役割になった」。

冒頭の3音のリフ、長大なオーケストラ・ブレイクダウン、エネルギー・クライムと新しいメロディの登場、そして冒頭の3音への回帰 ── すべての対比する断片が、最後に一つにまとまるその瞬間がBiXXの最も気に入っている部分だ。「多くの異なるメロディとサウンド ── このトラックはラプソディだ」。

「彼女のアイデアを限定しないこと」 ── 6作目を経て辿り着いた制作哲学

BiXXとNatalie Gioiaの最初の出会いは、Alex M.O.R.P.H.の「The Reason」でのGioiaのボーカルだった。RAM Boonの紹介でコラボレーションが始まり、「Armenian Rhapsody」はその6作目にあたる。

BiXXが学んできたのは「方向を与えすぎないこと」だ。参照トラック、文章での説明、デモのいずれかをきっかけにすることはあるが、すべての要素を事前に定義することは今や意図的に避けている。「私の最大の成功はNatalieに彼女自身のやり方で動いてもらうことだ。デモは時に彼女を箱に閉じ込めすぎてしまう」。

「Armenian Rhapsody」はキャリア最高作かもしれないとBiXXは語る。少なくとも、アクロポリスで聴いたデュドゥクの記憶を、これ以上ない形で音にした一枚だ。

BiXX & Natalie Gioia「Armenian Rhapsody」
Nocturnal Knights 2026年10月9日リリース
Pre-Save / Stream:https://nocturnalknights.lnk.to/armenianrhapsody

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