
14年前、リヴァプールのサラウンドサウンド・スタジオで生まれ、そのまま未発表のまま眠り続けてきたトラックがある。Yousefがある日BontanとMeleに聴かせたところ、ふたりの反応は即座だった ── 「これは絶対に出すべきだ」。その言葉が背中を押し、Tom Crewのボーカルを迎えた「Had No Sleep」が2026年10月16日、Circus Recordingsよりリリースされる。
深夜の失敗を、Talking Headsのように呪文のように唱える
「Had No Sleep」は構造としてシンプルで強力だ。叩きつけるようなハウス・グルーヴ、チャギングなドラム・ワークアウト、メランコリックなシンセ・スタブ——そこにTom Crewの独特なボーカルが乗る。初期Talking Headsを想起させるその歌い方で、深夜に犯した数々の間違いをプレイフルに呪文のように唱え続けるスタイルは、サイケデリックなトラックの質感と見事に共鳴する。深夜のフロアで最も機能するタイプの楽曲として、14年越しに完成した。
BontanとMeleという目利きが即座にGOサインを出したのも当然だ ── あとはリマスタリングして世界に届けるだけだった。
30年の蓄積と、5枚のアルバムと、伝説のレーベル
Yousefは30年以上にわたって電子音楽シーンに貢献してきたUK屈指のDJ/プロデューサーだ。Crosstown Rebels、Desolat、Cocoon、Moon Harbour、Knee Deep in Sound、Defected、Renaissanceといった世界最高峰のレーベルへのリリース実績は、同分野のアーティストの中でも突出している。2025年にはキャリア最高傑作との呼び声も高い5枚目のアーティスト・アルバム『I Operate in Purple』をリリース。Kuudaとの再コラボ「Love And Hope」でも記憶に新しい。
自身のレーベルCircus Recordingsは今年24シーズン目を迎え、Carl Cox、Kerri Chandler、Green Velvet、Jamie Jonesといる重鎮たちの作品を発信する傍ら、新世代の発掘にも尽力してきた。今シーズンのCircus LiverpoolにはChris Stassy、Rossi、Marco Carola、Jayda G、East End Dubs、Loco Diceらが招集され、UK最高のレイヴ空間と称されるBlackstone Warehouseでシリーズ史上最野心的な季節が進行中だ。

Yousef ft Tom Crew「Had No Sleep」
Circus Recordings / Circus 236
2026年10月16日リリース(Had No Sleep / Had No Sleep Edit 収録)
