Micah Martin、新曲「VHS」で失われた“あの頃”を巻き戻す ── デビューアルバム『All I Need』全貌も明らかに

ロックとエレクトロニック・ミュージックの境界を行き来し、“Rocktronic”と呼ぶ独自のサウンドを築いてきたMicah Martinが、新曲「VHS」を2026年9月25日にCreate Music Groupよりリリースした。

本作は、11月20日にリリースを控えるデビューアルバム『All I Need』からの第4弾先行シングル。これまでに発表された「Tomorrow’s Over feat. HIGHSOCIETY」「Burn Them All feat. OddKidOut」「Thrown Away」とはまた異なる角度から、Micah Martinというアーティストの現在地を映し出している。

同時に『All I Need』の全17曲のトラックリストも公開。Flux Pavilion、Hyro The Heroらをフィーチャーした楽曲も収録されることが明らかになった。

「昔の自分」を失ったことへの喪失感を、VHSテープに重ねて

「VHS」で描かれるのは、かつての自分自身に対するノスタルジーだ。

重厚なギターとジャンプアップ・ドラムンベースを衝突させたOddKidOutとの「Burn Them All」に対し、「VHS」はMicahが掲げるRocktronicのなかでも、よりエレクトロニック/オルタナティブな側面へとフォーカス。電子的なドラムとシンセ・プロダクションに、ロックをルーツとするMicahのヴォーカルが重なる。

ストレートなEDMでもなければ、ポップパンクでもない。両者の境界線に立ちながら、もっと世界がゆっくりと流れていた頃の記憶を掘り起こしていく。

Micah自身は「VHS」について、“かつての自分への手紙”だと説明している。

大人になるにつれて増えていく締め切りや期待、そして日々の混沌。そうしたものをまだ知らなかった頃の自分を思い返し、「古いVHSテープを棚から取り出すように、あの時間をもう一度取り戻せたら」という思いを楽曲へ落とし込んだという。

懐かしいのは場所や時代だけではない。そこにいた“自分自身”もまた、二度と戻れない過去なのだ。

WALSCHLAGERと作り上げた、ロックでもEDMでもないサウンド

プロダクションにはMicah Martin自身に加え、気鋭プロデューサーWALSCHLAGERが参加した。

WALSCHLAGERは、攻撃的なローエンドや鋭いパーカッション、ダークなクラブ・エネルギーを特徴とするプロデューサー。「VHS」ではそうしたハードな音響設計を全面に押し出すのではなく、Micahのメロディと歌声を支える電子的な質感として配置している。

その結果生まれたのは、ベース・ミュージック、オルタナティブ・ロック、ポップパンクといった複数の文脈が緩やかに溶け合うサウンドだ。

Micahがこれまで約10年かけて往復してきた“ロックと電子音楽の間”が、「VHS」ではノスタルジックな感情を媒介にしてひとつにつながっている。

17曲で描くデビューアルバム『All I Need』

11月20日にリリースされる『All I Need』は、全17曲というボリュームのデビューアルバムとなる。

先行シングルに加え、「Finally Home」にはHyro The Hero、「Never Meant」にはFlux Pavilionが参加。エレクトロニック/ダンス・ミュージックとロック/メタルの交差点を軸にしながら、Micahがこれまで歩んできた異なる音楽的キャリアを一枚の作品へ集約する。

トラックリストは以下の通り。

  1. Slip Away
  2. Close To The End
  3. All I Need
  4. Thrown Away
  5. Had Enough
  6. Tomorrow’s Over (feat. HIGHSOCIETY)
  7. I Need It
  8. Burn Them All (feat. OddKidOut)
  9. Nothing I Feel
  10. Mental Frequency
  11. I Need A Vacation
  12. Finally Home (feat. Hyro The Hero)
  13. VHS
  14. Outta My Head
  15. Your Eyes
  16. Never Meant (feat. Flux Pavilion)
  17. Holy Ground

ロックバンドのフロントマンから、ベース・ミュージックの世界へ

Micah Martinのキャリアを振り返ると、今回のアルバムがロックと電子音楽を横断する理由も見えてくる。

2014年、Quad CitiesでロックバンドThe Zealotsを結成し、フロントマンとして活動をスタート。I Prevail、Memphis May Fire、Pop Evil、Theory of a Deadman、Drowning Poolらとのステージを経験した。

2020年、パンデミックを機にバンドが活動を終えると、Micahはロックで培ったヴォーカルを武器にエレクトロニック・ミュージックへと活動領域を拡大。SLANDER、Zomboy、Kayzo、PhaseOne、Rebelion、Sub Zero Projectらとのコラボレーションを重ね、Red Rocks、The Hollywood Palladium、The Gorge、EDC Las Vegas、EDC Orlando、Lost Landsといった舞台にも登場してきた。

さらに2024年にはDJを本格的に学び始め、翌2025年からDJとしての活動も開始。現在はInsomniac Radioのベース・ミュージック系チャンネル「IMPACT」および「BASSRUSH Radio」でホストも務めている。

ロックバンドのフロントマンから、ベース・ミュージックのコラボレーター、そしてDJ/ソロアーティストへ。その複数のキャリアが、ようやくひとつの作品へ収束しようとしている。

新曲「VHS」は、そんな『All I Need』のなかでも、とりわけパーソナルな一曲だ。過去を美化するのではなく、もう戻れない自分を静かに見つめること。その感情を古びたビデオテープになぞらえながら、Micah MartinはRocktronicという自身の現在地から、デビューアルバムへ向けてさらに一歩を進めている。

『All I Need』は2026年11月20日リリース予定。

Artist: Micah Martin
Title: VHS
Label: Create Music Group
Release date: September 25, 2026

More info on Micah Martin:
Micah Martin: Facebook | Instagram | X | Spotify

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