ウィリアムズバーグから10年、ボートパーティで生まれた偶然のループが楽曲になった ── FundidoがLife and Deathより『Melt』EPをリリース

ブルックリンのデュオ、Fundidoがニューヨーク地下シーンの中心に浮上するまでに10年かかった。しかし今年、Coachella初出演、James MurphyのDFA Recordsへのリリース、そしてDJ TennisのLife and Deathからの『Melt』EPと、その蓄積がいっきに結実している。Latane HughesとBilly Scherの2人が歩んできた10年は、いよいよその次の章へと踏み込んだ。

偶然のループが、EPの核になるまで

『Melt』EPを構成する2曲は、いずれもFundidoのDJセットから生まれた音楽的感覚をそのまま引き継いでいる。

「Siren Tiger」は、くすぶるようなグルーヴから始まり、ピアノが主導する解放へと展開していく。抑制と爆発、その対比がフロアに独特の緊張感を生む。タイトルトラック「Melt」は、エマ・デュフォーのボーカルを持続するピアノのモティーフに絡ませた作品だが、このピアノのループには特別な由来がある ── ニューヨークで開催した彼らのボートパーティ中に偶然生まれたもので、その場の空気と感情がそのまま楽曲の感情的な中心になった。加えてPapa NugsとRetromigrationによるリミックスを含む全4曲が、EPを立体的に彩る。

Good Roomのレジデントが、DFA/Life and Deathへ

2016年、ウィリアムズバーグの老舗ヴェニューBaby’s All Rightからスタートし、Good Roomのレジデント、Lot Radio、Hot Mass、A Club Called Rhonda、Making Timeなどニューヨーク内外の名高いパーティへと活動を広げてきたFundido。共同設立したコレクティブEarth Beatは、コミュニティの中心としてシーンを支え続けてきた。Universal Caveからリリースした自主企画コンピレーション『Paradise Tempo』はResident Advisorの「Picks of the Week」に選出、完売したヴァイニル盤がその証だ。

曲を作るようになったのは比較的最近のことだ。今年1月の「Drops of Time」、春にDFAからリリースした「Get A Grip」と、オリジナル・プロダクションへの転換は急速に勢いを増し、Erol Alkan、DJ Harvey、Avalon Emerson、Luke Alessiらのサポートを集めた。そしてDJ TennisのLife and Deathというジャンルを超えた信頼を受けるレーベルからのリリースは、この転換が確かな到達点を持っていることを示している。

コミュニティという根っこを離れない音楽

FundidoがDJとして10年かけて築いてきたのは、技術や知識だけではなく、ニューヨークの地下ダンス・コミュニティとの深い関係だ。その積み重ねがそのままプロダクションの肌触りになっている ── フロアの実感に裏打ちされた、コミュニティ精神と踊りへの直感が宿る音楽。『Melt』は、10年の蓄積が自然にこぼれ落ちた瞬間だ。

Fundido『Melt』EP Life and Death 配信中

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