10年越しのトリップ ── Born Dirty、異端のクラブチューン「Trippy Boys Trippy Girls」で帰還

クラブ・ミュージックの常識を軽やかに逸脱してきたプロデューサー、Born Dirtyがニューシングル「Trippy Boys Trippy Girls」をリリースした。発表の舞台は、ユニークなダンスミュージックで知られるレーベルDirtybird。ハウス、テクノ、ブレイクスの要素を大胆に交差させたこの楽曲は、実に10年越しで世に放たれた“奇妙で魅惑的なクラブトラック”だ。

ねじれたグルーヴが生むサイケデリックなフロア

「Trippy Boys Trippy Girls」は、アルペジオのシンセが渦を巻き、ジャングルのように跳ねるパーカッションと鋭くうねるベースラインが絡み合うサウンドが特徴。カレイドスコープのように色彩が変わる音像は、酩酊感と催眠性を同時に帯びており、フロアに独特の浮遊感をもたらす。整然とした構造よりも“ズレ”や偶然性を楽しむような、Born Dirtyらしい左寄りのクラブ・アプローチが際立つ。

10年前に生まれ、ようやくたどり着いた居場所

このトラックは、実は約10年前に制作されたもの。共同作曲にはプロデューサーのLinden Jayが参加している。当時から強い個性を持っていたこの曲は、長い年月を経て「ここしかない」と思える場所に辿り着いた。それがDirtybirdだったという。時代の流れを経た今だからこそ、むしろ新鮮に響く感覚もある。

境界を横断してきたプロデューサー

Born Dirtyは10年以上にわたりエレクトロニック・シーンで存在感を放ってきたアーティスト。Mad Decent、OWSLA、Fool’s Gold Records、Armada Musicなど多彩なレーベルから作品を発表し、ジャンル横断的なプロダクションで高い評価を獲得してきた。Diplo、LP Giobbi、Anna Lunoeらとのコラボレーションも、その柔軟な音楽性を物語っている。

Dirtybirdのビジュアル文化とアートの接続

今回のリリースでは、レーベル恒例の「Artist In Residence」プログラムにも注目したい。2026年の担当アーティストには、テネシー出身の画家/イラストレーターThomas Ascottが選ばれている。スモーキー・マウンテンの自然や動物から着想を得たビジュアルは、Dirtybirdのユーモラスで自由な精神と呼応し、音楽とアートの境界をさらに拡張していく。

10年の時間を経て解き放たれた「Trippy Boys Trippy Girls」は、単なるクラブトラックではない。偶然と違和感、そして好奇心が混ざり合うそのサウンドは、予測不能なダンスフロアの魅力そのものを体現している。

Buy/Stream ‘Trippy Boys Trippy Girls’
https://dirtybirdrecs.ffm.to/trippyboystrippygirls

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