
サンフランシスコを拠点とする音響作曲家/ギタリスト/ビジュアルアーティスト、クリストファー・ウィリッツ(Christopher Willits)が、最新アルバム『New Moon』を携えての来日ツアー「Christopher Willits New Moon Japan Tour 2025」を開催する。10月22日の東京・高円寺Hoipoiを皮切りに、岐阜、大阪、金沢、東京・南青山まで全6公演が行われる。
『New Moon』は、2022年の『Gravity』以来となる通算7作目のソロアルバムであり、故・坂本龍一への追悼と「再生(Renewal)」をテーマに掲げた作品である。前作が「悲しみの中の静寂」を描いたとすれば、本作は“闇から光へ”と歩む音の祈りであり、20年以上にわたり探求してきたミニマリズムと空間音響の集大成といえる。ウィリッツは本作を通じて、聴くという行為を「存在の実践」として提示している。
今回のツアーでは、日本アンビエント界の重鎮・Chihei Hatakeyamaとの共演を中心に、都市と自然、テクノロジーと精神性が交差する空間が各地で展開される。特に岐阜・大禅寺や金沢神社での公演では、四方を音が包み込むクアドラフォニック・イマーシブサウンドが用いられ、リスナーを深い瞑想状態へと導く「音の聖域」が創出される。
オープニング公演となる東京・高円寺Hoipoiでは、国内のアンビエントムーブメント「Ambient Hoipoi」の第2回として開催。畠山地平のモジュラーセットに加え、grrrden、Tomoyoshi Date、鶴屋右衛門佐義亮らがDJとして出演するなど、新旧の音響作家たちが交差する夜となる。
また、大阪・茨木での「Ambient Ibaraki」では、Tychoの盟友でもあるウィリッツと畠山の共演に加え、学生や地域アーティストを含む多数の出演者が参加し、映像と音楽が融合したオーディオビジュアルイベントが展開される。さらに大阪・environment 0gではNobuhiro Okahashi、Kenji Tsudaとの共演が予定されており、地域ごとに異なる響きを持つプログラムが組まれている。
ツアー最終公演は11月10日、東京・南青山POLARIS tokyoにて開催。『New Moon』の根幹にある“聴くことを通じた再生”というコンセプトを最も純粋な形で体験できる一夜となるだろう。
クリストファー・ウィリッツは、Ghostly Internationalの中核アーティストとして2000年代より活動。坂本龍一、Tycho、テイラー・デュプリーらとの共作を通じ、現代アンビエントの方向性を切り拓いてきた存在である。音と空間の関係を再定義する活動を続けながら、非営利団体Envelopを共同設立し、没入型リスニング体験の普及にも尽力している。
『New Moon』において彼は、音を「癒しとつながりの建築」として扱い、聴覚と感情のあいだに新たな光を灯している。その思想は、本ツアーでの体験を通じて、より多くの人々の心に共鳴するだろう。

Christopher Willits New Moon Japan Tour 2025
10月22日(水)東京・高円寺 Hoipoi
10月25日(土)岐阜・関市 大禅寺
10月26日(日)大阪・茨木市 福祉文化会館(オークシアター)
10月27日(月)大阪・environment 0g
11月07日(金)石川・金沢市 金沢神社 拝殿
11月10日(月)東京・南青山 POLARIS tokyo





