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[音楽語源探偵団]Vol.12:パワーコードは誰の言葉か ── 語の出どころと音の正体
ロック・ギターの会話に当たり前のように出てくる「パワーコード」。だが、「最初にそう言い出したのは誰?」と問われると、途端に霧が立ちこめる。結論から言えば、これは特定の名付け親がいる“固有名詞”というより、現場とメディアの往復によって自然発... -
[オジー・オズボーンという神話]第6回:死と向き合う音楽 ── オジー・オズボーンという永遠
2025年7月22日、世界はロック界最大の伝説の一つを喪った。76歳で息を引き取ったオジー・オズボーン ── “Prince of Darkness”は、パーキンソン病と長年の身体的トラブルを抱えながらも、最後まで音楽と存在をかけて戦った。そして、その直前にバーミンガム... -
[オジー・オズボーンという神話]第5回:地獄の家族、オズボーンズ──リアリティTVという劇薬
「俺たちはブレイディ・バンチじゃない、オズボーンズだ。」 2002年、MTVが放送を開始したリアリティ番組『The Osbournes』は、全米に衝撃と笑い、そして違和感をもたらした。ロック界の“狂気の皇帝”オジー・オズボーンと、その家族による日常を追ったこの... -
[オジー・オズボーンという神話]第4回:蝿とコウモリとスキャンダル ── 逸話とメディアの狭間で
ロックンロールの世界には、数えきれないほどの奇行やスキャンダルが存在する。ホテルの破壊、楽屋の乱痴気騒ぎ、過剰なドラッグとアルコール——だが、そのなかでもオジー・オズボーンの名前は、ひときわ異彩を放っている。 ブラック・サバス時代からソロ活... -
[オジー・オズボーンという神話]第3回:マッドマン、再誕 ── ソロキャリアの爆発
1979年、オジー・オズボーンはブラック・サバスを解雇された。酒とドラッグにまみれた日々、もはや音楽に情熱も体力も残っていなかった。バンドの創設者にして象徴だった彼は、皮肉にも、最も象徴的な“問題児”として切り捨てられたのだ。 しかし、そこから... -
[オジー・オズボーンという神話]第2回:悪魔のアイコン ── ブラック・サバスと70年代の闇
「音楽が、こんなにも怖くて、こんなにも格好いいなんて思わなかった」。1970年代、ブラック・サバスの音楽に触れた多くの若者が、そう口を揃えて語った。教会での礼拝よりも、酒場で流れるサバスのレコードの方が“神聖”だった時代。悪魔崇拝、戦争、ドラ... -
[オジー・オズボーンという神話]第1回:鉄工の町の異端児 ── バーミンガムからの旅立ち
イギリス中部、バーミンガム。産業革命の中心地として知られるこの街は、かつて煙突と鉄工所の森であった。霧と煤(すす)に覆われたその風景は、人間の精神までも黒く塗りつぶしてしまいそうなほど重たい。そんな町に、1948年、ひとりの少年が生まれる。... -
[轟音の記憶 – ヘヴィメタル50年史]第2回:鉄の掟 – NWOBHMと世界制覇への道
1970年代後半のイギリスは、まさに絶望の時代であった。失業率は急上昇し、労働争議が頻発し、若者たちには未来への希望が見えなかった。パンクロックが「ノー・フューチャー」を叫ぶ中、もう一つの反逆の音楽が静かに、しかし確実に産声を上げていた。そ... -
[轟音の記憶 – ヘヴィメタル50年史]第1回:雷鳴の誕生 ── メタルの起源と革命児たち
悪魔が宿った指先の物語 1966年11月17日、バーミンガムの金属工場で働く17歳の青年が、人生を変える事故に遭った。その青年の名はトニー・アイオミ。機械に右手の中指と薬指の先端を挟まれ、指先を失ってしまったのである。 普通なら音楽への道を諦めると... -
[音楽語源探偵団]Vol.8:重低音が開いた扉 ── ダウンチューニング、その起源と進化
チューニングを下げるという行為、すなわち「ダウンチューニング」は、今やヘヴィメタルやドゥームメタル、グランジ、ニューメタルなどのジャンルにおいて不可欠な手法となっている。だが、そもそもこの「ダウンチューニング」とは誰が最初に始めたのだろ...
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