エドワード・ヤンのラストメッセージが4Kで蘇る──『ヤンヤン 夏の想い出』、12月19日全国公開決定

2000年、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、世界の映画史に深く刻まれたエドワード・ヤンの遺作『ヤンヤン 夏の想い出』。
『恐怖分子』『牯嶺街少年殺人事件』『カップルズ』といった作品群で台湾ニューシネマの礎を築き、2007年に59歳で急逝した巨匠が残した最後のフィルムが、公開から25年を経て4Kレストア化。2025年カンヌ国際映画祭クラシック部門オープニングで披露された新バージョンが、ついに12月19日（金）から日本公開される。

本作は、少年ヤンヤンとその家族が過ごすひと夏を、台北・東京・熱海を舞台に描く群像劇。日常のきらめきと残酷さを同居させた映像は、時が経ってもその鮮度を失わない。イッセー尾形ら日本キャストも参加した台湾・日本合作で、公開当時から批評家・監督たちに熱狂的に支持されてきた。2016年にはBBCの「21世紀の偉大な映画ベスト100」で8位、2023年には『ハリウッド・レポーター』の「21世紀の映画ベスト50」で1位を獲得。Rotten Tomatoesでは批評家97％フレッシュ、一般91％（2025年8月27日時点）と、評価はむしろ上昇し続けている。

レストア版の特報は、冒頭の結婚式と家族のカットを30秒に凝縮したもの。光と影のコントラスト、呼吸を止めるほどの美しさがその短い映像からも伝わる。

公開情報

• タイトル：『ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版』
• 公開日：2025年12月19日（金）
• 劇場：Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿ほか全国順次
• 2000年｜台湾・日本合作｜中国語・日本語｜173分｜カラー
• 原題：YI YI｜英題：YI YI: A ONE AND A TWO
• 配給：ポニーキャニオン
• 公式サイト：https://yi-yi.jp/
• 公式X：@YIYI_4K #ヤンヤン4K

ストーリー

小学生のヤンヤンは、父NJ、母、姉、祖母と台北の高級マンションで穏やかな日々を送っていた。だが母の弟の結婚式を境に歯車は狂い始める。祖母が脳卒中で倒れ、父は初恋の人と再会、母は新興宗教にのめり込み、会社経営は行き詰まる──NJは打開策を求め、天才ゲームデザイナー大田と契約するため日本へ向かう。

スタッフ＆キャスト

監督・脚本：エドワード・ヤン
撮影：ヤン・ウェイハン
編集：チェン・ポーウェン
出演：ウー・ニェンツェン、イッセー尾形、エイレン・チン、ケリー・リー、ジョナサン・チャン

この作品、音楽で言えば“25年経ってもなお最高評価を更新し続けるアルバム”みたいな存在。
しかも今回は、カンヌ公式レストアという最高のリマスター。
初公開時に観た人も、まだ観てない人も、これは年末の必修科目になりそうだ。