
実験音楽、フリージャズ、エレクトロニクスを縦横無尽に横断しながら、社会的抑圧や植民地主義の歴史を告発し、解放の未来を描き出すアーティスト、Moor Motherが今週金曜、ソウル・梨泰院のクラブ「Cakeshop」に登場する。
彼女はフィラデルフィアを拠点に活動する詩人/ラッパーであり、鋭い社会意識を帯びた作品群を通じて現代音楽シーンに強烈な存在感を放ってきた。荒々しいボーカル、アトモスフェリックなノイズ、ダイナミックな楽器演奏が融合し、聴く者を没入させるそのサウンドは、Eartheater、The Bug、Show Me the Bodyらとのコラボレーションや、billy woodsとの共作アルバムでも顕著である。
また、〈Hyperdub〉からリリースされたDJ Haramとのプロジェクト700 Blissでは、東海岸クラブカルチャーとインダストリアル、スポークンワードを鋭利に接続し、クラブミュージックが孕む政治的緊張を提示した。
最新の動向と評価
近年はポストメタル・バンドSUMACとのコラボアルバムを発表し、9月4日にはソウルのリウム美術館で、彼女自身が共同創設したアーティスト・コレクティブBlack Quantum Futurismによる新プロジェクト「Time Zone Protocols」の展示も控えるなど、その活動は音楽とアートを横断し続けている。平行してソロ作品も途切れることなく発表し続けており、批評家からの絶賛とともに、同時代で最も重要なアーティストの一人として確固たる地位を築いている。
公演詳細
- 日程:2025年9月5日(金)
- 会場:Cakeshop(134 Itaewon-ro, Yongsan-gu, Seoul)
- 開演:22:00~Late
- 料金:前売・当日 20,000ウォン(0時前入場)/25,000ウォン(0時以降入場)
ラインナップ
- Moor Mother (LIVE)
- KWON
- Wona (LIVE)
- Shimeunboss b2b Bojvck
- KIM XIMYA (LIVE)
- Song Youngnam
- ccr
Moor Motherが提示するのは、単なる音楽体験ではなく、歴史と社会を鋭く切り取る芸術的実践である。ソウルでのこの夜は、観客にとっても忘れられない“存在証明”の場となるであろう。