
ベルリン発のテクノアイコン“ポール・カークブレンナー”が、ベルギーのスーパースター“ストロマエ”とコラボレーションした新曲「Que Ce Soit Clair」をリリースした。今秋リリース予定の7年ぶりのニューアルバム『The Essence』(B1 / Sony Music)からのセカンド・シングルである。
2009年のリミックスから再び共演へ
両者の縁は2009年、カークブレンナーがストロマエのシングル「Te Quiero」をリミックスしたことに始まる。今回の新曲は、15年の時を経て再び交わった友情の結晶であり、互いのキャリアを経て「対等なアーティスト同士」としての邂逅を果たした作品である。
「Que Ce Soit Clair」(邦訳:ただはっきりさせよう、の意)は、四つ打ちの強靭なキックと脈動するシンセを基盤に、ストロマエによる緊張感あふれるスポークン・ワードを重ねた、アルバム中でも最もストレートなトラックのひとつである。国籍やルーツ、カテゴリーを超え、ただ人と人を結ぶ愛をテーマに据えている。
ベルリンの夢幻を描いた映像作品
楽曲にあわせ公開されたミュージックビデオは、Temple CachéのKelzang Ravachが監督を務めた。映像は「夢の中のもうひとつのベルリン」を舞台に、観客がストロマエの視点からカークブレンナーのパーティーへと迷い込む構造をとる。
光と肉体、空間が溶け合う中で現れるストロマエは、断片的な姿や反射の中に漂い、カークブレンナーは音を操る建築家のようにパーティーを形作る。物語性を排した没入型の映像は、ベルリンのナイトライフの混沌と宇宙的な陶酔を再現し、境界のない愛と変容の感覚を描き出している。
監督はこの映像について次のように語っている。
「ベルリンで体験した夜を思い出した。どこに繋がるかも知らず扉を押し開けると、エネルギーが渦巻く空間に突然立っている──その感覚を映像で再現したかった」
7年ぶりのアルバム『The Essence』
『The Essence』はカークブレンナーが数年にわたり、ミッドセンチュリーと70年代のラグジュアリーを融合させた部屋で制作を重ねた楽曲群で構成される。本人は「キャリアで最も納得のいく作品」と語り、「1曲たりとも“埋め草”は存在しない」と自信を見せている。
1977年生まれのカルクブレンナーは、90年代レイヴ文化の洗礼を受けつつ、早くからライブ演奏にこだわって活動を展開。代表曲「Sky & Sand」を収録した映画『Berlin Calling』で世界的な注目を集め、以降はTomorrowlandやUltraなど主要フェスのヘッドライナーを務め、ドイツ政府主催のベルリンの壁崩壊記念イベントで40万人の前で演奏するなど、クラブカルチャーを越えた存在となっている。

リリース情報
シングル
Paul Kalkbrenner & Stromae「Que Ce Soit Clair」
配信中(B1 / Sony Music)
アルバム
Paul Kalkbrenner『The Essence』
2025年秋リリース予定
カークブレンナーにとって7年ぶりのアルバムからの先行曲は、盟友ストロマエとの再会を通じて、愛と音楽が国境を越えることを鮮やかに証明している。