
Temple Of AngelsのBre MorrellとWeekendのShaun Durkanによるインディー・ポップ・デュオ、crushedが、名門〈Ghostly International〉から9月26日にリリースするデビュー・アルバム『no scope』より、新たな先行シングル「oneshot」を公開した。ミュージック・ビデオも同時に解禁されている。
「oneshot」──毒を孕んだラブソング
新曲「oneshot」は、モレルが語るように「有害な関係から抜け出せない葛藤」をテーマにした楽曲である。彼女はその感覚を「難易度の高いボス戦に何度も挑み続けるようなもの」と表現し、「スナイパー・ウルフがソリッド・スネークに最後の嘆願をするように、“死の淵で終わりを願う歌”」だと説明している。
しかしその音像は陰鬱さとは対照的に、アコースティック・ギターのストロークとドラムマシンのシャッフルビートが織りなすドリーミーなポップサウンドに仕上がっており、苦悩を抱えながらも美しく開かれた世界を描き出している。
デビュー・アルバム『no scope』
『no scope』は、トリップホップやブリットポップ、エレクトロニカ、90年代USオルタナティヴまでを自在に吸収し、懐かしさと新しさを同居させた刺激的なドリーム・ポップ作品である。
共同プロデューサーにホルヘ・エルブレヒト(Japanese Breakfast、Weyes Bloodらを手掛ける)を迎え、デモ段階から徹底的にアイデアを精査。ギターやベース、シンセのレイヤーをサンプリング的に再構築し、ビートにはマッドチェスター、ドラムンベース、ビッグビート的な要素も織り込みながら、流動的で挑戦的なサウンドを作り上げた。
モレルの力強いボーカルは、ジェフ・バックリーやハリエット・ウィーラーを想起させる存在感を放ち、ダーカンの柔らかな語り口と対照を成しながら、作品に奥行きを与えている。
EP『extra life』を加えた日本盤特別仕様
日本盤CDには、彼らの初EP『extra life』全6曲をボーナストラックとして追加収録。さらに解説・歌詞・対訳付きの特別仕様となっている。
前作『extra life』はPitchforkやNPRなどで早くから支持を獲得し、Ghostly Internationalとの契約を導いた作品であるだけに、ファンにとっては待望の完全盤となる。
リリース情報

シングル
crushed「oneshot」
配信中

アルバム
crushed『no scope』
2025年9月26日リリース(PLANCHA / Ghostly International)
価格:2,200円+税
※ボーナストラック6曲収録(『extra life』EP)/解説・歌詞・対訳付き
インディー・ポップの新星として注目を集めるcrushed。『no scope』は、デビュー作にして集大成ともいえる完成度を誇り、現行ドリーム・ポップ・シーンを刷新する一枚となりそうである。