
ロンドンを拠点とするデュオ、Tainted Youthが最新シングル「Drifting Away」をリリースした。リキッド・ドラムンベースとポップの要素を絶妙に融合させたこの楽曲は、ふたりにとって極めて個人的な意味をもつ作品である。ハートフルなリリックと、浮遊感のあるサウンドに彩られた本作は、UKアンダーグラウンドの現在地を提示するかキャサリン・ダウンのような仕上がりとなっている。
Tainted Youthは、ライアン・ホールとキャサリーン・ダウンによって2021年に結成された。シェアハウスでの共生から自然発生的に始まった音楽制作は、やがてシーンで注目を集める存在へと成長する。これまでのキャリアでは、「Feel That Way」が2022年のFuture Hits Music Awardsで“年間最優秀楽曲賞”にノミネートされるなど、早くも評価を獲得。〈Ministry of Sound〉や〈The Troxy〉といった名門ヴェニューでのライブを成功させ、2024年には自身初のEPリリース・ライブも敢行した。
今回のシングル「Drifting Away」は、ふたりにとって特別な意味を持つ楽曲であるという。キャサリーンは「この曲の原型を作ったのは2017年。当時、私たちはまだTainted Youthという名前すら持っていなかった」と語る。数回の出会いを経て、偶然のように生まれたメロディ。だが2024年、ライアンが新たなインストゥルメンタルを作ったことで、その過去の詞が蘇り、再構築されることとなった。
ライアンもまた、「この曲は、自分たちがどれだけ成長したかを象徴するようなもの。個人としても、アーティストとしても」と述べており、音楽的にも精神的にも、ふたりの軌跡を感じさせる楽曲となっている。
「Drifting Away」は、彼らのリビングルームで書かれ、録音され、プロデュースからミックスまで全てセルフメイドで仕上げられた。DIY精神と真摯な音楽への姿勢がにじみ出る作品であり、ハイブリッド・マインズやヴェンビー、ピリ & トミー、ピンクパンサーズらを好むリスナーにも強く訴求するだろう。
リキッドD&Bの流麗なビートにのせて、やわらかなボーカルが過去と現在をゆるやかに行き来する。Tainted Youthの物語はまだ始まったばかりだが、その歩みは確かなものとして、今、新たな一歩を刻んでいる。

楽曲情報:
Tainted Youth「Drifting Away」
リリース日:配信中
FFO(For Fans Of):Hybrid Minds、Venbee、Piri & Tommy、PinkPantheress
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