闇にひらく音の結晶 ── Noizinski、新作EP『Outer Consequences』で“内なる葛藤”のその先へ

フレンチ・ダーク・エレクトロの新星、Noizinskiが、最新EP『Outer Consequences』を〈HypnoVizion〉よりリリースした。
本作には先行シングルとして発表された「Stasis」を含む全5曲が収録されており、彼がこれまでに築いてきた音楽的世界観を、さらに深く、陰鬱に、そして洗練されたかたちで展開している。

前作『Inner Conflict』が“内面の葛藤”を描いたものであったとすれば、今作はその延長線上 ── すなわち“外的な帰結”をサウンドとして結晶化させた作品と言える。Noizinski自身も、「これはその内的な闘いの果てに生まれた作品。より強く、より精密に、しかし変わらずメランコリックであることに変わりはない」と語る。

重厚なベースラインと歪んだリズム、映画的とも言えるシンセスケープ。オープナーの「Stasis」で提示された静的緊張は、「Entwined」での層のように絡み合う構築美、「Exile」の荒涼とした音の風景を経て、最終曲「Beyond」で深淵のその先へと辿り着く。全編を通して漂うのは、闇の中に微かに光る哀しみの余韻である。

フランスを拠点に活動するNoizinskiは、テクノ、ベース・ハウス、ミッドテンポといったジャンルを横断しながら、独自の“ダーク・ベース”サウンドを確立しつつある新鋭。2017年のデビュー以降、トゥータンやレーザーパンクとの共作も交えつつ作品を重ね、今回の『Outer Consequences』が〈HypnoVizion〉からの初EPとなる。

耳を研ぎ澄ませば、そこにあるのは冷たい無音と、静かに脈打つ情動。今作は、Noizinskiというアーティストの“本質”に最も近い音の断片である。すでに彼の作品に魅せられているリスナーはもちろん、未知なる音の領域を求めるすべての者にとって、聴く価値のある一枚といえるだろう。

Noizinski『Outer Consequences』配信リンク
https://hypnovizion.lnk.tt/outerconsequences

Tracklist:

  1. Stasis
  2. The Same
  3. Entwined
  4. Exile
  5. Beyond

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