ダニー・マッキャスリン、新章を告げるエレクトリック・ジャズ ── ボウイの継承者が描く、喪失と再生の“子守唄”

ニューヨーク・ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者、ダニー・マッキャスリンが、約3年ぶりとなるニュー・アルバム『ララバイ・フォー・ザ・ロスト』を2025年9月10日にリリースする(デジタル配信は9月26日開始)。レーベルはEdition Records、販売はユニバーサル ミュージックより。SHM-CD仕様で税込価格は3,300円。

本作は、マッキャスリンにとって通算14作目のリーダー・アルバム。2016年、デヴィッド・ボウイの遺作『★(ブラックスター)』に参加し、世界的な注目を浴びた彼は、以降もジャズの枠を超えた音楽的冒険を続けている。本作では、ニール・ヤング、ナイン・インチ・ネイルズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンといったロックの系譜を吸収したエレクトリックなサウンドを打ち出し、9曲それぞれが情動に訴えかけるダイナミズムに満ちている。

録音は2024年12月、ニューヨークのバンカー・スタジオにて実施。マッキャスリンと長年にわたって共演してきたミュージシャンたちが結集し、即興性と構築美が高次元で交錯するセッションを展開した。プロデューサーには盟友ティム・ルフェーヴル、共作・共同プロデュースにもジェイソン・リンドナーが名を連ねる。

またミキシングには、ザ・フレーミング・リップスやMGMTで知られる名匠デイヴ・フリッドマンが参加。エフェクトと生演奏の有機的な融合を通して、緻密でありながらもライブ感あふれるサウンドを創出している。

マッキャスリン自身は本作についてこう語る──「このアルバムのムードの多くは、私たちがアイデアを出し合い、そのつながりに従ってどこまでも進んでいったことから生まれた」。その言葉どおり、本作は形式に囚われない創造の連鎖から生まれた、現代ジャズの最前線を示す意欲作である。

リリース情報

Donny McCaslin『Lullaby for the Lost』
発売日:2025年9月10日(デジタル配信:9月26日)
レーベル:Edition Records / ユニバーサル ミュージック
品番:UCCU-1698(SHM-CD)
価格:¥3,300(税込)

収録曲(全9曲)

  1. Wasteland(先行配信:9/5)
  2. Solace
  3. Stately
  4. Blond Crush
  5. Celestial
  6. Tokyo Game Show
  7. Lullaby for the Lost
  8. KID
  9. Mercy(先行配信:8/22)

参加ミュージシャン

  • ダニー・マッキャスリン(ts, fl, alto-fl)
  • ジェイソン・リンドナー(synth, el-p, p)
  • ベン・モンダー(g)
  • ライアン・ダーレ(g)
  • ティム・ルフェーヴル(el-b, g, synth)
  • ジョナサン・マロン(el-b)
  • ザック・ダンジガー(ds)
  • ネイト・ウッド(ds)
  • マーク・ジュリアナ(ds)

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